今回の事件についての記事を読んでいて、以下の点が気になりました。

。(虐待、暴行の態様)
・虐待は短期ではなく、患者を変えて長期的に行われていた
(管理体制)
・いずれも夜間勤務で行われていた
・幹部職員は「気付けなかった」と発言していた

これらを踏まえて、①医療と福祉に適した人材②管理体制③虐待防止の3点について述べたいと思います。

 

 

 

医療と福祉に適した人材

まず、虐待や暴行の内容が最悪でした。「反応が面白かった」という犯人の発言は、福祉や医療に携わる人間としては不適格だと思います。医療や福祉とは身体や精神に障害があるために「手助け」を求める人たちに、相手が何を欲しているのか、どこか不都合はないか、とそれを察しようとする仕事です。

「面白かった」と捉える人が、どうしてこの仕事に就けるでしょうか。

 

管理体制

次に、暴行を止める管理体制がなかったことが非常に残念です。
病院や福祉の現場は人手不足の場合が多く、現場は毎日を「回す」ことに必死です。ここで重要なのは人員配置です。
記事には「人員は満たしていた」とありましたが、数字は質を表していません。例えば基準の人数を配置していても、
その日の患者の状態や、患者さんの特性によってパニックが多かったり、脱走や喧嘩など状況によっては運営上必要な人数が揃っているだけでは不十分です。
さらに、その状況における人の判断が「ヒヤリ」「ハット」のヒューマンエラーにつながります。
傲慢で過信をしている人が現場で指揮をとれば、うっかりミスの多発、誤った指示による処遇など、利用者や患者だけではなく職員にとっても劣悪な職場になる可能性があります。

これを止める役割は管理者にあります。しかし、もし管理者も同じタイプの人で、利他の心が薄く、他人に無関心であれば、現場の悪循環は止まりません。今回の事件が起こった病院がこのようなケースではないことを祈りますが、記事には「気づけなかった」という発言があります。「気づけなかった」ということは管理ができていなかったことになります。気づかないといけなかったというのが正確です。

 

虐待を防ぐ

では、どのようにすれば虐待と暴行を防げるでしょうか。それは「人権」の尊重です。見落とされがちですが、これが根幹です。
障害者虐待防止法ができました。見かけた場合は市町村に伝達する通報義務があります。これは養育者、支援者、使用者の3つのカテゴリーから障害者本人
を守るものです。

そして、日本国憲法に定められた基本的人権や法の下の平等があります。

第11条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保証する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与えらえる。

第14条第1項 すべて国民は、法の下に平等であって、人権、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

今回のような事件や、学校のいじめもそうですが、本人が望んでいないのに言葉や身体的暴力によって傷つけられていい人はいません。精神科でもドクターの処遇に抵抗する権利が患者にはあります。患者や利用者が拒否を示したら、それを尊重しなければなりません。相手が痛がっていないか、相手が何を訴えているかを察して、【その人にとってよい手当】を考えて実施をする義務が、医療者、支援者にはあります。

自分が見ず知らずの他人に手足を拘束されて、1時間の静止を強要されたらどうなるでしょうか。1時間でも私は発狂してしまいそうです。

 

医療スキルや、学識は大事ですが、もっと基本的な人権や、道徳についての意識を人として高めることが大切です!

 

投稿者プロフィール

トトロの森
トトロの森
療育施設勤務(音楽療法士/臨床心理士)