事件を受けて参加可能なライター全員が記事にするのが今回の特集企画です。
バリアフリーチャレンジ!の活動史上もっとも社会性の濃い企画です。
ここに至る経緯を簡単に。ライターの一人aruiru(アルイル)からこのテーマについてチームで議論して
活動として声明を出そうという提案があり、3/22にオンラインミーティングを開催。
aruiruと代表 島本が中心になり、ミーティングの議事録を基にライターチームの総意として
下記声明文をとりまとめました。
WEBサイトにこの特集ページを開設し、声明文掲載に至ります。
5/31よりライター各自の想いを後掲の記事にまとめバトンリレー形式で順次掲載しています。
神出病院の医療従事者による、患者への虐待・暴行事件に関する声明
バリアフリーチャレンジ!は、神戸市西区の医療法人財団兵庫錦秀会神出病院で起きた事件を受け、すべての一人一人が社会の構成員であるとの前提に立ち、多様な発信により、人権侵害の黙認という固い土壌を耕し、解決の糸口を提案していく。
2020年3月に医療法人財団兵庫錦秀会 神出病院において、入院中の患者に対して虐待・暴行を行ったとして、医療従事者6名が兵庫県警に逮捕されたことが報じられた
バリアフリーチャレンジ!は、重度障害当事者が代表を務め、障害種別の異なる当事者、福祉専門職(高齢者・障害児者)・障害児教育専門職、障害児者の家族らを中心とした9名のライターチームを中心に、累計56名の協賛者、500名以上の定時配信コンテンツの受信者からなるコミュニティである。その理念は、「すべての人が暮らしやすい社会づくり」である。それは障害や疾病に起因する、様々な権利侵害が黙認されている社会を変革してしていくことも包含している。
我々は、報道等により明らかにされた虐待・暴行事実の非人道的な内容に強い憤りを覚える。
特に、事件発覚が当事者・家族・職員からの内部告発や、行政機関による審査・指導ではなく、当該職員の「別件逮捕」という形から明らかになったことが事件の根深さを象徴している。これは、このような虐待が恒常的、長期的にありながら看過されてきていたことの表れと言える。事実、精神医療は多くの機能不全を抱えている。入院医療への依存・精神科特例・強制入院における権利擁護システムの不備等が、患者の姿や声を消し、失わせるという悪循環を生む温床となっている。その解決には、現在の精神保健医療体制の抜本的な改善が早急に必要である。
範囲を広げてみれば、精神保健分野のみならず、高齢者・障害者児の分野でも看過されている「虐待」がある。そこには「差別」が内包されているのも事実である。我々はこのような事件等を職員の資質や、組織の体質の問題として安易に終わらせてはならないと考える。課題解決には、現場にいない社会の構成員、つまり専門職でない人の意識の変容が不可欠である。
よって、バリアフリーチャレンジ!ライターチームは、あらゆる人の権利擁護が暮らしやすい社会の基礎であることを銘記する。今後、我々は事実を知らせ、ライターたちの想いを社会の構成員一人一人と共有する情報発信活動を強化していくことを表明する。
2020年4月19日
バリアフリーチャレンジ!
代表 島本 昌浩 ライターチーム一同