チャレンジド自身が努力を重ね、ある面では障害に伴う制約があっても、できることでスキルアップすべき

例のごとく、真面目な文章なので、

苦手な方はここで離脱することをおすすめします(笑)。

 

さて、多くのチャレンジドにとって、
人生で重要なテーマの一つであろう
「自立」についての論考です。

 

正面から論理的に現状と課題、
を論じ、それに絡めて
私の現状における目標の話をします。

 

そもそも、何を指して自立と言うのか。

自分の意思で生き方を選択でき、

それについて責任を負えること

だと私は考えています。

 

そのためには経済的な基盤が必要なので、
働くことと不可分です。

 

ここ最近の雇用統計は法改正の影響もあり、
の改善傾向にあります。

 

では、それが経済的自立につながっているのか。
ここは丁寧に見ておく必要があります。

(今回引用する話はブログに掲載することの許諾

をえられていないため全て匿名です)

 

過去に就労継続支援A型事業所で働くお嬢さん
がいらっしゃる方、
また、ご自身がA型事業所で働く方、
更に、大手民間企業で働く聴覚障害者の方等に
それぞれで働いている様子について話を伺いました。

 

就労継続支援には前述の雇用契約を結ぶ「A型」
と、「A型」より比較的短時間の労働で、

雇用契約を結ばず作業分だけ工賃を得る「B型」

があります。

 

A型の事業所で働く方のインタビューで
単刀直入に収入を伺いました。
月7万ちょっとというお答えでした。

それを裏付けるデータを紹介します。

古くて恐縮ですが、A型は最低賃金以上の支払いが

義務づけられているので、その上昇に伴い、

現在はもう少し増えているはずです。

 

厚労省の2013年度の統計では、
A型の平均は月額6万9458円、
B型は月額1万4437円。

時給にするとA型は737円、
B型は178円。

経済的自立という面から見てどうか。

どのような水準の生活をするかにもよりますが、
厳しいと言わざるを得ません。

B型などこれだけ見ると絶望的です。

 

ただ、障害基礎年金を受給していれば
、重い等級で年額100万程度、
軽い等級で80万弱が入ります。

これを合わせてA型で何とか食べて行ける程度、
B型はこれでも厳しいという印象です。

 

行政はこれらの事業所の製品の購入を
促す仕組みを作るなどして工賃アップに取り組んでいます。

また、健全な事業所は競争力を付けようと自助努力しています。

 

それでも純粋に経済面でみると、
福祉的就労の現状は厳しいです。

これだけだとただの批判になるので
これらの事業所の存在意義も書いておきます。

 

B型のように「工賃」が低くても、
障害者の「社会参加の場」としての役割、
ここで就労経験を積み、キャリアアップ
するための役割があります。

 

では、民間の大手企業で働いている場合はどうか。

こちらは私自身ちょうどリーマンショック
後の景気後退期に、就職活動で名の知れた企業
の求人票を実際に多数見ました。

 

一流企業を中心に正社員であれば、
贅沢しなければ食べていくことはできる
賃金になっている感じでした。

 

ただ、就職は簡単ではないですし、
インタビューから感じたのは、
職場環境に適応するには

相当な努力が必要ということ。

 

社会参加の先の課題として、
チャレンジドの所得をいかに向上させるか
というのがあると思います。

 

チャレンジドが自立し、自分の人生をコントロール

するには、現状健常者以上の努力が必要です。

努力のベクトルには二つあります。

 

一つは、社会の側のバリアを取り除いていき、
できるだけチャレンジドの障害特性に応じて
能力が発揮できる環境を作っていくこと。

 

それぞれの能力が開花するような環境整備を
するのであり、何でも「健常者と同じように」
しようとするのは合理的でないでしょう。

 

もう一つは、チャレンジド自身が努力を重ね、
ある面では障害に伴う制約があっても、

できることで価値を創造していけるように

スキルアップすべきです。

 

両方必要ですが、私はチャレンジドの方々に
インタビューする中で後者のベクトルである
目標を立てています。

 

既に世の中に何人もいらっしゃいますが、
チャレンジド自身が起業して、ビジネスを作るのを
私自身が専門性を磨き、他の専門家等と連携しながら

サポートすることをやりたいと思っています。

 

周りの何人かのフリーランスで

働いているチャレンジドを見ていて、

高齢者も含めて雇われるのが悪いという話
でなく、働き方としてフリーランスが

もっと浸透してもいいのではないかと思います。

 

そして、しっかり起業を成功させ
、共に喜び合えるパートナーになる。

実際、それに向けて活動のステージを

挙げていっているところです。

実際計画を立て、行動している段階なので、

夢ではなく目標です。

 

起業が成功すれば、その先には
雇用が生まれる可能性が当然あります。

例えば、起業したチャレンジドが
積極的にチャレンジドを雇用する。

仕事の多くはコミュニケーション。

私のインタビューの活動が続いている
ことからしても可能性はあると思います。

投稿者プロフィール

島本 昌浩
島本 昌浩
バリアフリーチャレンジ!代表
challenged-view編集長