社会経験を積むことで人生も豊かになるはずなので理由が何であれ就職者数の増加は良い流れ
何をもって自立とするかは健常者と障害者とを同列に論じることはできないと考えますが、
一般的には働いたうえでの「経済的自立」が自立と捉えられていると思います。
チャレンジドの場合、障害年金がある人も健常者と同じく雇用される形で糧を得ていくことを目指す方が多数派です。
障害者雇用がどうなっているか、2回に渡り書きますがまずはマクロのデータについて
NHK NEWS WEBの情報をベースに私見を述べます。
以下、ニュースからの転載です。
昨年度、全国のハローワークを通じて就職した障害者は延べ9万3000人余りに上り、過去最多を更新。
率にして3.4%増えました。就職者数が増えるのは8年連続で、過去最多を更新しました。
このうち、精神障害者は前の年から7.7%増えて4万1367人、次いで身体障害者が3.8%減って2万6940人、知的障害者は1.9%増えて2万342人となっています。
この統計をどう読むか?
障害者の雇用をめぐり、来年4月から、企業などに義務づけられた雇用率を算定する際、精神障害者が新たに対象となり、
企業に求められる雇用率が今の2%から2.2%に引き上げられることになっている事が主因と記事は分析しているように読めます。
解説を加えます。
まず、「8年連続で過去最多を更新」というのは、高まってきていた障害者雇用促進の機運が2013年の法改正時に、
企業の障害者雇用義務を厳しくしたことで更に加速した延長にあると思われます。
そのうち、精神障害者の伸びが大きいのは
まさしく記事の分析の通り。
とはいえ、要因がそれだけとは断定できません。
一般の求人も売り手市場になっていることも無縁ではないでしょう。
どうあれ、法律が企業を動かしたことが
就職者数の伸びをもたらした主因である
と私も考えています。
さて、核心部分に移ります。
チャレンジドの働く機会が増えたという事を示す統計は
それだけでもひとまずは歓迎して良いと思います。
働いていなかったチャレンジドが社会に出て行ける機会が増えたのなら、
それがた制度の変化の結果であろうと、労働力人口不足の穴埋めであろうと理由は何でもいいと思います。
就職後の定着率向上が次の課題
まずは社会に出て様々なことを経験しないと成長できないと私自身開業してから強く感じているところです。
社会経験を積むことで人生も豊かになるはずです。
しかし、数は最初の段階の話です。
これを一過性のものにしないためには、就職したチャレンジドが定着するように職場環境を整備すること、等
様々なフォローをしていくことが次の課題になります。
「数が増えることで企業側の理解は進む」事が期待できます。
ただ、全ての企業がきめ細やかなサポートをできるかとなるとまだまだ時間が必要です。
そこで、必要とされるのが、当事者の特性を熟知し、企業側との橋渡し役になれるような活動を展開されている主体(人や組織)です。
このような動きをしているところは多数あります。
中でも、当事者(チャレンジド本人や チャレンジドの身近にいる人)
が旗振り役になっている主体には大きな期待がかかります。
そこでの成果が、同じ立場のチャレンジドを勇気づけるからです。
その他にも就職後のキャリアアップや賃金の問題など課題は多くあります。
これらについては、別途過去に実施したインタビュー記事をまとめる中で触れます。