<h4>障害特性が分からなければ配慮するのは難しい</h4>
<p>書く内容は私の障害特性についてです。</p>
<p>「言い訳に見えるのではないか」というためらいもありますが、</p>
<p>情報発信をすると決めたかぎりは、このことも書くべきだと思い至りました。</p>
<p>切っ掛けがありました。他者の声が耳に届いたのです。</p>
<p>車椅子で外出していてトイレに行く際、私は車椅子を置いて杖歩行で行くことが結構あります。</p>
<p>これをご覧になり、「あれ?」と思う方がいたのです。</p>
<p>私の中では、この使い分けは当たり前なので何とも思っていません。</p>
<p>この感覚でここでも「私は杖を使えば歩けます」と表現してきました。</p>
<p>このあたりについて、読者の方から「身体の状態が分かりにくい」というご意見を頂戴しました。</p>
<p>これは私にとっては大きな発見でした。</p>
<p>このブログはチャレンジドが生きていく上で役立つ情報をお届けしようとしています。</p>
<p>そして、話のとっかかりとして私の経験を引用することが多いです。</p>
<p>そうであれば、私の障害特性についてはある程度共通認識がある方が話が伝わりやすいでしょう。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>さて、私の障害特性で特筆すべき点を3つご紹介します。</p>
<h5><span class=”dotline”>1.片麻痺について</span></h5>
<p>ブログ執筆に直接関わるハンディを2つ。<br>
まず、私は片麻痺、すなわち、身体の左半身が麻痺していて、</p>
<p>日常生活は全て右手のみで送っています。</p>
<p>今もこの文章は全て右手でタイプしています。</p>
<p>私の文章は一つのテーマについてキチンと伝えきるということを大切にしていているので長文傾向です。</p>
<p>当然ですが、長文になっても使えるのは右手のみ。</p>
<p>次にもう1つ、これは言い訳になってしまいますが、</p>
<h5><span class=”dotline”>2.半側空間無視について</span></h5>
<p>これは、高次脳機能障害という後遺症の症状の一つで、時間に追われている時は</p>
<p>誤字脱字を見過ごしてしまうというという結果に繋がっています。</p>
<p>(別途発行しているメルマガを3年前に始めた頃、誤字脱字が多発してしまい、友人に事前にチェックしてもらったこともあります。)</p>
<p>そこで言われたのが「ちょっと酷すぎる。失礼かもしれんけど、これ病気に関係してる?」ということでした。</p>
<p>言われるまで私自身忘れていたのですが、この指摘で高次脳機能障害を改めて意識しました。</p>
<p>私の場合、高次脳機能障害の中の「半側空間無視」というものが現れています。</p>
<p>脳の特定の部位に損傷を受けた影響で視界の左側を見落とすという現象が起こります。</p>
<p>具体的に、生活にどんな影響があるか。<br>
私自身、例えば自分の左前にコップに入ったお茶があるのに、</p>
<p>「お茶頂けますか?」と言ったりしたことがあります。</p>
<p>「左を無視する後遺症がある」という自覚はありました。</p>
<p>左をより意識することでこの無視は軽減されますが、</p>
<p>集中してディスプレイ上で文章を書いていると、左側にミスがあっても見落とす回数が増えてしまっていたのです。</p>
<p>それを自覚してからミスは減っていると思いますが、今後誤字を見つけたら、「半側空間無視」への注意が足りてないな、と思って頂けると幸いです。</p>
<p>やはり言い訳ですね。でも、高次機能障害のことも知ってもらう必要がありますので、書きにくいことを書きました。</p>
<p>更にもう一点、カミングアウトしにくいことを書きます。</p>
<p>既にさりげなくどこかの記事で書いた気もしますが、</p>
<p>私には2度に渡り、脳にメスを入れた影響でけいれん(症候性てんかん)の<br>
発作を起こすリスクがあります。</p>
<p>この発作は服薬によりほぼコントロールすることができ、私もこの10年はほぼ無縁で過ごせています。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「手術で脳を傷つけた以上発作のリスクがある」ということで、入院時から薬の服用を続けていますが、<br>
初めの頃はけいれんを意識することはありませんでした。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>しかし、次のような異変が起きて、けいれんを強く意識するようになりました。</p>
<p>元々酒好きだった私は退院して当然のように友人を呼んで酒盛りをしました。</p>
<p>少し飲み過ぎたある日、比較的大きな発作に見舞われました。</p>
<p>この発作後に初めて「アルコールが薬の効きを弱める」ということを知りました。</p>
<p>ちなみに、この時救急搬送されたのですが、全身の筋肉が硬直して、白目をむいていたそうです。</p>
<p>この発作を何度か経験した後、ニュースでてんかんの持病のある人が自動車事故を起こしたという報道を何度か見たので、<br>
「自分では車の運転はしない」という身体障害者にとっては、移動の自由がかなり制約される選択を私は迷わずしています。</p>
<p>他方で、独立する前にしていた就職活動では、発作が起こった場合に人や<br>
自分の身体に被害が出るような職種は避けるのは当然ながら、発作のことは自分から言わないと決めていました。</p>
<p>ハンディを抱えての就活中、「自分は頭を使って貢献できる」という自負もあり、</p>
<p>筆記試験を通過するも採用を勝ち取ることができず、まさに連戦連敗。</p>
<p>これ以上マイナス材料を出す訳にはいかないと、必死でした。</p>
<h5><span class=”dotline”>3.カミングアウトについて</span></h5>
<p>しかし、今振り返るとこれは賢明だったとは思いません。</p>
<p>発作のリスクがゼロでない以上、言うべきだと今の私は思います。</p>
<p>雇う側も事実を知らなければ採用した人に業務上の配慮ができません。</p>
<p>雇われる側も発作があってもOKという企業でないならば、逆に願い下げくらいの方が双方にとって幸福だと思います。</p>
<p>さて、私の障害特性について「あえて」書きました。</p>
<p>事実は人に知ってもらわなければ、存在しないのと同じです。</p>
<p>私は現在39歳ですが、平均寿命が何歳に延びようと、 22歳で死にかけたことが強烈な原体験としてあります。</p>
<p>ですので、自分が長生きするという想定は脳出血発症後したことがありません。</p>
<p>いつ終わるか分からない人生。私は、自分の経験を生かして、<br>
「誰もが住み良い世の中を実現する!」 ために生きています。</p>
<p>その帰結として、私は積極的な情報発信を選択します。</p>
<p>今後とも、皆様に障害のことを身近に感じて頂けると判断すれば、<br>
書きにくいことであっても、積極的に書いていきます。</p>

投稿者プロフィール

島本 昌浩
島本 昌浩
バリアフリーチャレンジ!代表
challenged-view編集長