ご自身の周りはバリアフリーですか?

今は不自由を感じなくても、私のように障害者になるリスクはだれにでもあります。
また、加齢に伴い身体能力が衰えた場合、
そうなっても大丈夫だと
自信を持って言える方はほとんどいないと思います。

まずは「知る」ことから

このような問いかけをするのは、バリアフリーを必要とする
私のようなチャレンジドと健常者の間には、この部分の意識に
大きな開きがあると感じるからです。

私は時々講演活動で学校に伺ったり、
会議室などをレンタルして使っています。

最近建築された建物であればきれいではあります。
しかし、バリアを感じる建物があるのも事実です。

ある学校で講義した際、その学校にあるバリアについて
いくつか具体的に指摘したところ、
10名以上の受講生が
アンケートに次のように記していました。

こがバリアフリーでないことに驚いた

なぜこのような驚きが生じるのか。
答えは明白です。

「身体の不自由な人にとって何がバリアになるか」
を知らないからです。

ここに私のような当事者が伝える意義があります。

さて、感じたバリアですが、
学校は大きな建造物ですから

以下これを読んでいる皆様に生活の中で
直接関係するなくせるバリア
に絞って一つ例を挙げます。

 

扉についてです。
車椅子で生活する必要に迫られた場合は勿論ですが、
ケガや病気、加齢による衰えで特に足元が不安定になった場合、
個人の住宅は相当お金持ちでないと無理ですが、
自動ドアがいいです。

せめて不特定多数の人が集まる場所の主要な出入り口
についてはこうあって欲しいです。

個人宅は自動扉の次善の策として、
ドアはできる限り左右に開く「「引き戸」

にすることが望ましいです。

開き戸から引き戸へのリフォーム例

 

前後に開く「開き戸」は車椅子だと開閉自体も難しいですし、立位でもバランスを崩しやすいからです。

構造的に引き戸にするのが難しく、開き戸の場合は
ドアノブの形状に気をつけておくといいです。

ドアノブも注意点の一つ

上の二つのノブなら、右のレバータイプを選ぶのが基本です。

これは手が不自由になった場合に大切なポイントで、
丸ノブを回すのは難しくなる傾向にあります。

それに比べてレバータイプのはまだ使いやすい。

ただ、レバーに服の袖口が引っかからないようにご注意下さい。

備えとしての住環境整備

高齢者が転倒して、 骨折→寝たきり→認知症という負の循環を作らないためにも
住環境の整備を「備え」としてしておくべきというのが私見です。

ご自身の周りにアリアがないか一度チェックしてみることをお勧めします。
いつケガをしたり、病気になるかは誰にも分かりません。
「こういう部分はどう?」と言う疑問がありましたら、

お気軽にご相談下さい。扉を売ったり、工事したりはしていませんが、

私の立場で言えることはお伝えします。

ハードの整備が難しい場合は人のサポートをありがたく受ける

ハードの整備にはお金も時間もかかります。

今、バリアを感じる環境があるなら、当事者は積極的に自分から助けを求める。

周りの人は困っていそうな当事者に自分ができる手伝えるは何か、声をかけてみる。

そうすれば、世の中に幸福な助け合いの場面が生まれると思います。