プレッシャーの中で、ろう者の文化をテレビで伝えたり、代表として演じています。

 

公演後の打ち上げでリラックス・モードの善岡さん(右)

 

昨年10月1日に「デフ・パペットシアター・ひとみ」(以下デフパペ)
という人形劇団の公演が私の暮らす宝塚市でありました。

この公演招致に、バリアフリーチャレンジ!を展開しているからこそ、

私は主催者側の代表である実行委員長として関わりました。

 

ある方から、この劇団のスタッフの方をご紹介頂き、インタビューを実施。

その中で、「是非宝塚で公演したい」と言うお話があり、

その話をメルマガで発信したところ、読者であるイベント好きの市職員の方とスタッフの方が繋がり、

お二人が盛り上がり、私に白羽の矢が立ったというのが簡単な経緯。

更に詳細な経緯に興味がある方はこちら
https://www.facebook.com/deafpape/

 

しかし、それだけでは私が畑違いの人形劇に積極的に関与する動機としては弱い。

決め手はデフパペが人形劇を通じてバリアフリーの価値を発信していたことです。

役者さんのうち、半数が聴覚障害者でプロとして生計を立てていて、

手話や字幕などを取り入れた斬新な表現で、

見るだけで楽しめる世界を創り出していたことが決め手でした。

人形が役者のように躍動するデフパペの舞台は迫力満点!

 

劇団は公式に「バリアフリー人形劇」という言葉を
使っていないようですが、助成金を獲得し、集客しないと、

赤字になる状況だったので、キャッチーなフレーズとして、

便宜的に実行委員長の私は招致過程で多用しました。

 

広報の一環として行った劇団代表でNHKEテレ「みんなの手話」に出演されるなど、

多方面でご活躍の善岡修さんにお話を伺いました。

私は初歩的な手話しかできません。

しかも遠隔地にいて、肢体不自由の身体障害がある。

一方、善岡さんは「音のない世界」にいらっしゃるので、

メールインタビューとなりました(過去に善岡さんを含め、計6名の聴覚障害者の方にインタビューしましたが、

そのうち4名の方がメールでした)。

手段にこだわらず、伝えようとする思いが大切

(手話言語を使う)ろう者として劇団代表を務め、
チームをまとめ、一つのモノを創っていくために大切なのは、コミュニケーション障害とも言われる

聴覚障害ならではのことのようです。

善岡:
私たちろう者は、情報が少ないと不安になります。
現場や事務所でろう者と一緒にいる場合、
今何が起こっているのか、今どんなことを話されているのかと
周囲からも情報をたくさんいただくことで
みんなと一緒に仕事をしていると実感できます。

手話で情報を伝えるだけが全てではありません。
筆談で情報を伝える。
といったことが大事だと思います。

 

 

ろうの役者としての強み

善岡:ろうの役者だからできることとして、
音声言語に頼らない視覚的な表現については、
僕だからこそ気づけることが、聴者より多いかもしれません。会場のお客さんの中に手話で話される方がいた場合、すぐに反応できるなど手話が出来るからこそ距離が近いということもあります。

仕事のやり甲斐

善岡:誰かの代表をして演じるという重大なプレッシャーがあります。
全国のろう者の文化などをテレビを通して伝えるということ。

テレビは、現場のスタジオで見つめる相手がカメラなので、
視聴者の反応がすぐにはわかりません。
ですが、人形劇などの生の舞台は、ダイレクトに
観客からのエネルギーを感じられルのが醍醐味です。

舞台もテレビもどちらも毎回毎回緊張しています。

 

宝塚公演『森と夜と世界の果てへの旅』は、満員御礼となり、

幼児から高齢者まで多様なお客様に楽しんでいただけ大成功でした。

 

 

余談ながら、デフパペは、招致を決めた地域の有志が立ち上げた実行委員会を、

劇団スタッフがサポートしながら、協働で公演を実施するというユニークな手法を採用しています。

 

そのお陰で宝塚公演実行委員会のメンバーのご縁が繋がり、

「何かやりませんか?」や「今度こんなことやるんですけどいらっしゃいませんか?」

と言える関係が続いています。

 

※今後、過去に行ったインタビューの記事をブログ用にコンパクトに編集して不定期でUPしていきます。

なお、メルマガで発信しているインタビューはほとんど編集していない会話内容をそのまま使っています。

最新のインタビューは、毎週火曜日の朝にメルマガ登録して頂けばご覧になれます。

投稿者プロフィール

島本 昌浩
島本 昌浩
バリアフリーチャレンジ!代表
challenged-view編集長