バリアフリーの第1歩は障害者の生活をを知ること

入浴は危険で面倒?

肢体不自由のチャレンジドにとって、
日常生活において、難しいことの一つが

入浴だと言われています。

それは障害者に限らず、高齢者等の家庭内事故の多くが

浴室で発生しているという統計からも明らかです。

私の情報発信のコンセプトに従い、
抽象的な話は抜きで個人的な経験から考えてみます。
入浴というのは本来リラックスできる時間ですよね?
倒れるまでは、私もそうでした。

ですが、チャレンジドとなった現在はどちらかと言えば嫌いです。

入らずにキレイになれる方法があるなら入りたくないです(笑)。

なぜか?

実際危険で面倒なのです。

温暖な季節や夏はまだしも、冬場は辛いです。

私には、左半身まひの障害があります。

ですので、衣類の着脱が大変。

これは私と同じ種類の障害でなくとも、
身体が不自由な人に共通すると思います。

私は立った状態でズボンを着脱できないので、脱衣所に着替えのためにいすのセッティングが必要です。

どのように工夫しているかについて、動画を撮りましたので紹介します。

福祉用具等使えるモノでできる工夫をする

※更衣における工夫を語った

聴覚障害の方のために、動画の内容をテキストでも記しておきます。

 

立った状態で着替えられないので、椅子を用意し、手すりを設置すると良い。

残存身体機能に応じてこのような道具を活用することもバリアフリーの一つの形。

椅子には入浴後ぬれた状態でも座れるようにタオルをかぶせ、

落ちないように洗濯バサミで固定。

私の場合、ズボンとパンツの着脱は立った状態で上げ下ろしします。

それ以外のところは座ってまひした足を動く手で組む形にしてはいたり脱いだりという二段階で行う。

他の対麻痺(下半身まひ)の方の場合など、障害特性によって当然形は変わってくるかと思います。


冬場にこの関門を乗り越えると、次は寒い浴室の洗礼を受けます。

私は足首の関節を固定していないと歩けません。
入浴時も「装具」という福祉用具を着用しています(濡れてもいいように入浴専用のものです)。

しかし、とても寒い日などは後遺症の影響でマヒしている左半身全体の筋肉がこわばり、

ベルトで止めていてもその装具がずれてくるほど緊張します。

「これはたまらん」
と温かい浴槽に浸かって少し落ち着ける感じです。

これだけでもありがたいことだとは思います。

アングルは決して良くないですが、身体を張って浴槽への出入りをする際にしている必須の工夫を紹介した動画をもう一つ。

 

浴槽への安全な出入りのために「バスボード」という福祉用具と手すりを設置し、併用することで対応している(残存したい機能によって、

必要な設備や手順は異なるはずなので専門家に相談されることを勧めます)。

入る時:①浴槽にバスボード(浴槽の幅に応じて使用時に固定できる)という板を渡してその端に腰掛ける。

②自由に動かせる方の足から浴槽をまたぐ

③まひしている方の足も動かせる手で補助してまたぐ

④漬かれる状態にするために、手すりを持って一旦浴槽内で立ち、バスボードを浴槽外に出す形で浴槽のふちに立てかけた状態にする

⑤手すりをしっかり握ってゆっくりしゃがんで浸かる

出る時:入る時の逆の手順を踏む

 

もっと重いハンディの方はリフトで身体を吊って浴槽に入ったりと

入浴のハードルはやはり高いです。

まとめ

自分の身体機能に最適な道具を組み合わせて活用する。

このことで、入浴のADL(activuities of dayly living:日常生活移動作)を獲得できれば、

QOL(quality of life:生活の質)の向上につながります。

それでも不可能な場合は、人の手を借りる。

実際、私自身もできないことはお願いしています。


バリアフリーの第1歩はハンディのある人の生活をを知ること。
私自身当事者となり、様々な当事者と出会い、情報発信する中で、

全てを「自分事」として感じようと務めています

様々な情報を分りやすく発信していきます。

合理的に考えることで私の場合、幸いほぼ自立して入浴できています。

私は半身まひの中ではかなりまひが強いので、

私が色々試して人の役に立つ事例になれればと思います。

投稿者プロフィール

島本 昌浩
島本 昌浩
バリアフリーチャレンジ!代表
challenged-view編集長