誰もがすることのできない経験を語るのは生かして頂いた者としての義務

22歳で脳内出血に倒れ、行政書士として社会復帰した時、私は35歳でした。
そこに至るまでの私の様子は父によると、
「お前が偉いのは、愚痴一つこぼさなかったこと」らしいです。

これは自制したというより一生懸命やらねば、

自分は生きていけないという気持ちの表れでした。

ただ前だけを見ていて深刻に悩む暇などなかったのが実情です。

その期間を今振り返ると、
健康に生きていれば、誰もが色んなことに
チャレンジできる20代。

私のそれはリハビリ一色でした。

普通の方から見れば「暗黒の時代」でしょう。

強がりに聞こえると思いますし、そう思って頂いても構いませんが
私は自分の人生をわざわざ悲観的に捉えることは
これまでしていませんし、これからもしません。

私の人生の主役は私。
人に迷惑をかけなければどう考えるかは自由です。

だから、発病から社会復帰までにもいいことはたくさんあった
と断言できます。

根底にあるのは恩返ししたいという思い

もっとも良かったことは、
「人は一人で生きているのではない」

と感じられたことでした。

家族、親戚縁者、友人・知人、医療関係者などの専門職の方々、
そして街で出会う人々のサポートのおかげで、
私は投げやりになることはありませんでした。

そしてこの経験を通して私の中に、
「社会に恩返しをしたい!」という思いが芽生えました。

これが現在の私の生き方の軸です。

社会復帰して「恩返し」を果たす手段として、当時の私はシンプルに
自分の経験が活きるだろうし、公益のために働くということで
公務員を目指しました。

しかし、筆記試験は通るものの、
面接を通過できませんでした。

年齢制限を迎え、その道は諦めました。

軌道修正は人生につきもの。

「恩返し」をしたいという熱い想いを抱きながらも、
障害を無視して盲目的に理想を追求するわけにはいかない考え、
「できることの限界」を私は現実的に考えていました。

身体障害者に適性があるのは、頭を使う仕事。

公務員がダメだった時の保険として、
各種資格を取得してスキルアップをしていきました。

その後にチャレンジした民間企業への就活でも面接をクリアできませんでした。

今思う敗因は身体障害者なのに、

健常者と変わらぬ感覚で面接に臨んでいたことです。

そこで先方が求めるものとのズレがあり、

いわゆるミスマッチになっていたのではないかと思います。

更なる軌道修正で組織で働けないなら、

まずできることに挑戦しようと独立開業に至ります。

この部分は普通にみると挫折の季節です。

まだ結論は出せませんが、就活に失敗したおかげで
行政書士という一定の法的素養のある専門家としてこの活動ができて良かった

と振り返ることができる日が来るかもしれません。
現状における評価として、今の道を選んだおかげで
私はミッションに生きることができています。
はっきりと自分の生きる道が見え、それに命を使っているということです。

行政書士として10数年ぶりに社会復帰し、
「ありがとう」の言葉ととも障害者として初めて報酬を頂けたとき、

障害があろうが生きていて本当に良かったと思えました。

そう思えてから、更に研鑽を積み、もっともっと人のお役に立ちたい

という思いが強くなりました。

と同時に、公務員という肩書でなくても生き残って誰もが選んで

することができない経験をしている以上、
私にはそれを社会に還元していく義務があり、
それが「恩返し」になるはずだと思い至りました。

講師として教室で倒れた時、組織には自分の代わりがいると学びました。

他方で、退院後に通院していた病院に併設されている看護学校で講義をする
機会を頂き、その時生徒たちは治療を受ける当事者の話を聴くこと
がほとんどないと知りました。

使命としての活動

自分にできることを実践することが社会貢献になり、
それを積極的にしている人は多数派ではない。

できることがしたいこと、すなわち「恩返し」になると確信できた
瞬間、これこそが自分の命の使い処だと確信しました。

この活動に全身全霊をささげています。

現状、このブログやメールマガジン、そして講演による発信が活動の中心です。

更に行政書士だからできることを活動と融合させ、

障害福祉サービス事業所の運営に精通して当事者の
視点からサポートをする。
また、 チャレンジド自身の生活、挑戦を他のどの行政書士よりも
積極的にサポートするなどがあります。

加えて、勉強中ですが、
チャレンジドの雇用に積極的な企業のサポートをしたい
とも思っています。

他にも色んな企画を独自コンテンツとしてどんどん形にしていっています。

このようなことを地道に生涯をかけてやると私は決めました。
「ミッションに生きる!」と覚醒したのです。

ミッションを具現化したこの活動
「バリアフリーチャレンジ!」

今年始めたこのブログでこれまで蓄積してきた事を共有しつつ、

新たな経験も発信しています。

 

私の情報発信のスタートであり、始めてからもうすぐ3年半になるメールマガジンは

一度も休まず週1回の発行を継続してきました。

今月中にメルマガとブログを統合したスタイルに移行するつもりです。

facebookからこのブログをご覧頂く等して頂いている方はその形で問題ありません。

ただ、メルマガ読者優先のイベントのお知らせ等の情報があるので

これまでブログ記事を読んで私の情報を評価して頂けている場合は、

ブログページのフォームからメルマガの購読申込みをしてくださるとうれしいです。

投稿者プロフィール

島本 昌浩
島本 昌浩
バリアフリーチャレンジ!代表
challenged-view編集長