必要なのは少しの勇気 不要なのはつまらない羞恥心
1.初めてのことは誰にとってもハードル
昨日、電動車椅子での単独移動としては、もっとも遠い場所に行き、途中で人と待ち合わせて更に遠くまで出かけてきました。
今後この種の記事を書く際は繰り返し書くと思いますが、私は極めて慎重な人間です。
ですので、初めての事をする際には事前の情報収集に余念がありません。
また、今回の目的達成も本当に少しずつ移動距離を延ばし、繰り返して実行に移しました。
その辺りの詳細はこちらの記事もご参照ください。記事内で触れているアプリが情報源になりますが、
私は空間認識を司る右脳に損傷を受けた影響もあって、地図情報が苦手です。
個人的には紹介している「みんなでつくるバリアフリーマップ」が私の知る中ではコンセプトや機能面でとても優れていると感じます。
リリースされて間もないので今後アップデートされていくと思います。私が車椅子で動いていて感じる改善点をフィードバックすると、
・インターフェイスが少し複雑でにわかには使いにくい
これがあればと思うのが、GPSで自分の位置を把握して地図上に反映されたら、目的地までのルートを完全に音声ガイドしてくれる
機能を搭載する、です。これがあれば、初めての場所に対する不安がかなり軽減され、もっとアクティブな車椅子生活者が増えるはずです。
さて、今車椅子生活者としての不安について書きましたが、どんなバリアがあるか分からない場所に不自由な身体で車椅子に乗って行くのは
それなりのストレスがかかることは想像に難くないかと思います。健康でも、例えば仕事で未経験のことを任されたら不安があるのと同じです。
燃えるタイプの人もいらっしゃいますけどね。
しかし、家のみで生きていくつもりのない人にとって、この不安はつきものであり、このハードルに挑むしか道はないです。
最初は付き添ってもらうのがもっとも無難ですが、昨日はあえて単独で動きました。
おかげでここでこうして共有できることが見つかりました。
2.大切になる先を見通す想像力とコミュニケーション
昨日は初めての乗り換えをしたのですが、そこで2つのことに困りました。
・エレベーターの場所が分からない
・事前に乗車位置が正確に分からない
乗り換えのある駅は構内が結構広く、移動距離もそこそこあります。目的のホームに行くためのエレベーターの正確な位置が分からず、うろうろしました。
降車した際にスロープを渡してくださる駅員さんに「○○に行くんですけど、乗り換えのエレベーターどこですか?次乗車する際の乗車位置はどこですか?」
とサクッと質問するといいです。駅によって、また時間帯にもよるようですが、丁寧に付き添って次の場所まで案内してくださる便宜的に
「エスコートスタッフ」とします、がいる場合もあります(関西のある私鉄の事例)。昨日は最初の降車時に私が上記質問をせず、別のホームに行くエレベーターを探すのに
迷い、降りる時に介助してくださった駅員さんが先回りして次のホームのエレベーター前でしばらく待たれていて、後で合流した時「待ってましたよ」と言われましたが、
お陰で一つエレベーターの位置を正確に覚えましたし、何を聞いておいた方がいいか把握できました。
更に、「エレベーターを降りたところでお待ちください」と案内されることがほとんどですが、実際に乗車する時の位置はそこから動きます。
慎重な私はホームの狭くなっているところとを行くのにゆとりを持ちたいので移動するなら先にそれも教えておいてくれればいいのに、と感じました。
ですので、上記強調箇所の2つの質問をすることを提案します。人と話すのが苦手な方も外にでかけられるバイタリティがあるならこれくらいは聞く勇気は持っていて欲しいです。
また、私もできるだけスマートに行動したいですが、目的地に行けなければ無意味なので「聞くは一時の恥」と思って羞恥心は捨てています。
3.最後にものを言うのは少しの勇気
準備は必要かつ非常に大切なことです。しかし、初めての場所に障害のある中で出かけるのに不安が完全になくなるかと言えば、人によるでしょうが、繊細な私の場合無理です。
それでも健康な人が通常ほとんど事故無く利用している手段を使うなら、やってみれば何とかなります。そして、初めてを達成すれば2回目からがとても楽になります。
最後は思い切ってやってみる。この少しの勇気が私達自らの手による社会参加の可能性を高める方法と考えます。