非常ボタンを押して乗務員(車掌さん)に知らせる
本質的な部分である結論は上記の通りです。
以下、丁寧に結論が分かった経緯と
付随する情報を記載しています。
1.前提
前輪を浮かせて、自力で下車できる人は、
この話とは無関係です。
単独下車できない、
あるいは周りの人に短時間で担いでもらうのも難しい
車椅子ユーザーが対象の話です。
そして、私が阪急電鉄のある駅で聞いたことをもとに
書いているので、全ての路線、
他の鉄道会社に普遍的に当てはまるとまでは
言えないことを予めご了承ください。
「車椅子利用者はその時どうすればいいか?」
駅員さんとじっくり話せるタイミングは、
サポートして頂くために一緒に
電車の到着を待つ乗車時くらい。
それも、乗車までの時間が
あまりないケースも多く、
待っていては
今回の問いに対する答えが出せません。
そこで、自ら積極的に動くチャレンジド
として、複数の駅員さんがいる駅に行き、
追跡調査してきました。
材料が揃いましたのでシェアします。
乗車時にサポートを頼み、
スロープを出してもらい、乗車。
駅員さんが下車駅に連絡して、
乗車時と同じように下車駅の駅員さんが
スロープを準備して乗っている電車を待つ。
この通常の運用の中で、
単純ミスで下車駅で駅員さんがいないことが
年に数回は起こることについて
その発生原因などに触れて
過去の記事で紹介しました。
で、冒頭にも書いた結論は、
私自身の中で考えていたことと一致したのですが、
乗務員に知らせる、です。
ただし、運転士に知らせるのは常識的に考えて危険です。
また、最後尾の車両に乗っていない場合、
自力で移動して車掌さんに知らせる事は
まず不可能です。
では、どうしましょうか?
一つは周りの人に事情を話し伝えてもらう。
ところで、私は障害があるということのみで
弱者と考えることを好みません。
しかし、この状況では明白に弱者です。
弱者に寛容で、配慮のある世の中で
あって欲しいものですが、
何でも要求すればいい訳ではない。
周りの人の親切心を頼みにすることに
心苦しい思いが私にはあります。
お仕事の帰りで疲れている人もいれば、
数少ない活字を読む時間、
音楽を聴いてリラックスする時間が
電車移動中という場合もある。
そこでかける負担の少ない代替手段が非常ボタン。
仮に、下車できず、発車してしまった場合は、
次の停車駅で停車中に各車両にある「非常ボタンを押す」です。
走行中に押されると、別の事故になるので、
車椅子下車できなかったケースなら、「非常」事態として、
停車時にボタンを押して頂くのはのはやむなし、
とおっしゃっていました。
自分が押せる位置にいなければ、
これを押してもらうことを
自分の近くの人にお願いするくらいなら、
許容範囲と思います。
なお、今回私はこの問い会わせを
私が決してクレームを言っている訳ではないと見えるように
細心の注意を払いました。
そのおかげか変駅員さんは、大変丁寧に対応してくださいました。
お金を払っている客だからでなく、
乗車をいつもサポートして頂いているとして
駅員さんに対するのがいいと私は考えます。
「お客様はいろいろ考えて頂いているようですが、
逆に言うと、我々の側にこのようなミスがあってはならないです!」
と繰り返しおっしゃっていました。
次に、運用の部分をより詳細に把握してきたのでそれについて。
2.乗務員は車椅子の乗客についての情報を把握しているか?
例えば、どの辺りに乗っていて、
どの駅で下車するか等についてです。
運転士は把握してないそうですが、
車掌さんには乗車時にサポートする駅員さんが軽く伝えるそうです。
対処法が「車掌さんに知らせる」ですから、
知っておいてもらった方が安心できます。
これは是非、強化して頂きたいことの一つです。
3.連携ミス発生の事実はどの程度スタッフ間で共有されるか?
これは私がこの駅とこの駅の間を往復で使うと伝え、
各駅が乗り換えを挟んで別の線にあるため各線のその駅を所管する管区には、
連絡するし、本社にも上げるとおっしゃっていました。
本社から各駅に情報が共有され、
全スタッフに通知されるのか、
という点については、分かりかねる
という感じでした。
しかし、ミス発生が判明した場合、
朝礼などで改めて注意喚起がなされるそうです。
4.安心をより確かなモノにするための施策について
最近、弱者への具体的なサポート方法まで含んだお願いを駅のホームでアナウンスでしています。
ここを一歩進め、次のように車内アナウンスすることを検討して頂きたいです。
「お近くに困っている様子の方(これは障害の有無に関わらず)がいたら、
『どうされましたか?何かお手伝いしましょうか?』
なえどとお声掛けくださいますようお願いいたします。
(ここからはたまに)~なお、車椅子の方が下車される場合、
駅員がサポートしますが、手違いでサポートできない場合がございます。
下車できずにいる様子なら、
駅で停車中に通報ボタンを押すことにご協力ください」と。
随分とハードルの高い呼びかけかもしれませんが、
こういうことがあると知って頂くことが目的です。
勿論、順序としてはは車椅子利用者が「声をかけて欲しい」
と受け身にならず、自分から「ボタンを押してください」
と声をかけることが先です。
それが難しいなら、せめて分かりやすく困っているように振る舞えばいいと思います。