自分の身の安全のために行動することが大切 それに必要なのが調整力
10月の週末、2週続けてやってきた台風の影響のある中、
私は仕事の関係上やむを得ず車椅子で短時間外出しました。
その経験を踏まえて考えたことを書きます。
1.最優先事項は自分の身の安全
仕事とは言え、責任を感じて、
電車が運休するほどの天候の中、
障害者が危険を冒すのは避けるべきだと思いました。
選挙の投票日に襲来した台風は障害者になる前後を通じて、
私の人生で阪神淡路大震災の次に自然の猛威を
この身で感じました。
五体満足の人でも、風に煽られ、
転倒して怪我をするのですから、
より影響を受ける肢体不自由者は
不要不急の外出は絶対にしてはならない
と再認識しました。
では、仕事のような必要な外出はどうでしょうか?
このような状況下では、不要不急となるように予め調整しておく、
が私の出した結論です。
特に地震と異なり、台風は事前にどのような勢力で接近するのか、
ある程度把握できます。
よって、こういう場合は欠勤すると会社と
取り決めておく。
仮に取引先などと
自社で会うアポが入っているのなら、
相手のことも考えて、
日程の再調整が可能ならした方がいいでしょう。
2.調整を容易にするために自分の限界を知っておくことも必要
今回外出したという事実は変えられないので、
良かったと思える点をあえて挙げると、
どの程度までなら独力で安全に外出できるか
という自分の限界を把握できたことです。
そもそも、台風襲来時に電動車椅子で
外出できるかと言うと、
できることはできるが危険、
となります。
この部分の結論は、強めの雨に風が加わると厳しくなる。
風でフードがめくれ、雨に濡れてしまいます。
更に、強烈な風があると、
仮に雨が降っていなくても無理、です。
これは大きな専用カッパ内に
風が吹き込んできて、
身体が持って行かれそうな感じになり、
操縦が極めて難しくなるからです。
これが私の感じた台風についての限界です。
逆に、通常の雨なら、外出に慣れていかないと
社会参加するのが現状のシステムでは難しいです。
さて、今回やってきた二週目の台風は、
一週目のものより勢力は
かなり弱かったですが、
雨は強く降っていたので、
先の教訓から、無理をするところでない
と判断して、たまたま父の予定が空いていたので
車を出してもらいました。
往復の送迎をしてくれると言っていましたが、
幸い帰りには雨、風共に収まっていたので、
自立したい私は連絡して独力で帰りました。
3.危険な状況時の仕事を不要不急に変える調整力
危険な状況にさらされる障害者として、
肢体不自由者が分かりやすいと思うので
例示して前述しました。
しかし、少し想像して頂ければ、
分かると思いますが、状況把握が難しくなる
視覚障害者や聴覚障害者は勿論、
健常者も危険なのですから、
全ての障害者が危険にさらされます。
つまり、このような日は仕事をあえてしなくていいように
スケジュール等の環境を事前に整えるのです。
多くの人が組織で働いているので、
それを前提に、以下話を進めます。
人が一人抜けるとなると、
迷惑がかかると考えるのが
普通の感覚かと思います。
他方で、健全な組織なら代わりは普通います。
ですので、常日頃から自分の限界について権限のある人
リーダーに、チームで働いている訳で失礼のないように
相談をしておきたいです。
なお、組織側には障害者に配慮する義務を
課す法律もあるので、それも頭に入れて
「通勤によってこういう危険があります。
自分の身に何かあった場合、
その方がもっと迷惑をかけてしまうことになる」
というように、
自分から積極的に「発信」していく姿勢が
障害者には求められると思います。
また、「私はこういう状況の時、お休みを頂くかもしれないので、
フォローお願いします」と周りの人達に
直接伝えるかは別にして、そのような可能性があり、
その際に快くフォローしようと思って頂けるように、
日頃から信頼関係を築いていく努力が必要だと考えます。
そのためにも、周りの人がどういう人達か日頃から感じ取る
「受信」能力も求められます。
すなわち、コミュニケーションが円滑にとれれば、
身を守るという最優先事項は達成できるはずです。
付言すると、社会はほぼ音声言語を使う人で構成されているので、
この点は聴覚障害者にとっては、筆談で応じたり、音声認識のアプリが
あったりと徐々に環境は改善されているとは言え、
まだまだバリアのある部分でしょう。