揺るぎない理念のもとにそれを実現するための戦略を立て、具体的に動く

大きなビジョンを具体的な活動に落とし込んでいる事例です。
前回書いたように、この種の活動に取り組まれる方には、
当事者(=チャレンジド)本人か、あるいは当事者の傍にいる人が多いです。

ピープルデザイン研究所

ピープルデザイン研究所代表理事の須藤シンジさんもそのお一人です。

ご子息に脳性まひの障害があったことがきっかけで
福祉に問題意識を持たれ、様々な活動を展開されています。

こちらをクリックして⇒WEBサイトを、まずはざっとご覧ください。
デザインが純粋にかっこいいです。
須藤さんの著書で私は
ご活動のことを知りました。

巧い表現が見つかりませんが、
何というか、全てが「クール!」
という感じです。

これまで福祉の活動に、オシャレさ
を感じることは あまりなかったと思います。

そういう既成概念を覆すような
動きは本当にいいなぁと思います。

具体的には、障害のあるご子息の存在から活動をどんどん広げていて、

自分の子どもが履く恰好いい靴がないなら、自分で作る。

(障害者向けの靴はデザイン性がほとんど無視されています)

それを皮切りに一流のデザイナーとコラボして障害があっても
オシャレを楽しめる数々のファッションアイテムを生み出しています。
思いつきのレベルで、須藤さんがされているようなことをできないかな、
と考えたことが私もあります。

しかし、実際に実現されているプロセスを拝見すると、
思いついてやりたいと思うなら、
相当の覚悟でやらないといけないと分かりました。

他にも障害者が参加できる様々なイベントを主催、
それを拡張して街づくり、仕事づくりにまでつなげています。

ご子息が成長した時に
(もっと言えば自分が死んだ後も)
生きていける環境を残したい
という親心が根底にあって、
その上に「健常者と障害者が垣根なく混じり合う社会
を目指す」という揺るぎない理念がある

そして、それを実現するための前述した各種の活動。

この種の活動のモデルケースだと思います。
さて、紹介した先輩たちの事例を私の活動、

バリアフリーチャレンジ!にどう生かすのか、が肝心です。

1回目のプロップステーションの
「チャレンジドを納税者にできる国、日本」というキャッチフレーズ、
今回のピープルデザイン研究所の
「全ての人が混じり合う社会」
このような大きなミッションやビジョン等
呼び方は何でもいいですが、
方向性を示す哲学が必要不可欠です。
「誰もが暮らしやすい世の中」
と私は言っています。

何をもって誰もが暮らしやすいと考えるのか、

ここは動きながらこれからどんどん明確にして近づいていきます。
次に、2回目で紹介した「アクセシブル・ラボ」の大塚さんが
車イスユーザーの外出、そして「Check」の金子さんがトイレの情報
にフォーカスしたように、 戦略を明確にする必要があります。

動きながら考える

これについては、プロップのナミねぇ、今回の須藤さんは、
自分のお子さんに必要なことから逆算してやることを決めています。

また、車イスの外出にフォーカスしている
アクセシブル・ラボの大塚さんは自身が車イスユーザー
であることを考えると、
分が生きていくために突き当たる課題の解決に
チャレンジしていくのが利己的なように見えて、
もっとも効率が良いと考えられます。

考え過ぎて何もしないのがいけないので、
とにかく「行動」します。