事例に学ぶ地域での人の交流を促進する方法
昨日UPした記事の流れでまとめました。
バリアフリーはハード面とソフト面に分けられます。
効率よくハード面のバリアフリー化を図るには、障害特性の正しい理解が必要です。
そのために、障害の有無を越えてコミュニケーションがとれる、
ソフト面のバリアフリーが優先課題という私の考えを昨日書きました。
こうした認識のもと、ソフト面のバリアフリーのために身近で
できること、例えば挨拶などを地域で励行してはどうかと問題提起しました。
この内容は、数年前に私のメルマガで書いていたのですが、会員制で地域の高齢者の居場所づくりをされていて、
私の活動のサポーターになってくださっている方(以下Aさん)が事例を紹介して下さいました。
「これは是非シェアしたい」と思い、承諾を頂いたのでご紹介します。
この話を手掛かりに切り口を変えて、ソフトのバリアフリーを促進するには?
という課題を掘り下げます。
まずAさんは私の「挨拶から始めてみましょう」
という提案に同意された上で、以下のように述べておられます。
「何かあったら連絡してね」と私の携帯電話番号を
会員外の方も含め、何人かには渡していますが、
連絡が来たことは今までにありません。
人にものを頼むのは練習が必要です。私も練習しています。
「練習が必要」これが地域社会の対人関係の現状なのだと思います。
社会全体がこの空気だと、ソフト面のバリアフリーは進みにくいです。
しかし、この言葉を逆から考えると練習すれば頼める訳です。
では、ここで言う練習とは何か?
本当に頼んでみる?良いと思います。
人に何か頼む→迷惑をかけることになるから遠慮する
これ自体はある種の美徳なので否定はしません。
ただ、、超高齢社会の中でこれでは生きていて、
窮屈さを感じる場面が多くなると思います。
大人になってからこの種の考え方(習慣)を
変えるのは、難しいです。
子供の頃から、自立することの大切さとともに、
「本当に困っている時は、人に助けを求めることは悪くない。
そうしないと、逆に迷惑をかけてしまう場合もある」と教えていくといいと思います。
当然、「教育は国家百年の計」ですから時間がかかります。
そこで、制度や仕組みを作って、合わせ技で頼みやすくすなるように工夫すればいいと思います。
Aさんが実践されていた例です。
以前は、、携帯電話に連絡をして、
一件ごとに「1枚100円のありがとうチケット」を
頼んだ相手(困っている時に頼んだことをしてくれた人)に
渡すという仕組みでやっていました。
仕組みがあったので、頼みやすかったと思います。
病院への車での送迎が一番多く、荷物の開封、組立、電球の付け替えそれにパソコンの相談などもしていました。
最初はこういうチケットを使ってでも、
地域で人の交流が起こるということが大切だと思います。
教育に力を入れつつ、こうした実践を続け、
社会全体で「困ったときはお互い様」というムードを意識的につくっていきたいところです。