車椅子を活用すればより安全に電車に乗れる
【お役立ち情報】車椅子を活用する(1)で、車椅子の必要性についてお伝えしました。
その中の電車に乗る場面について具体的に書きます。
個人差はありますが、中途障害で特に若年の場合、
身体機能についての喪失感が大きいです。
私もそうで20代の頃は死に物狂いでリハビリをすれば、
「完全に元通りになるのは無理としても、社会生活を営めるくらいには」と
リハビリに打ち込みました。当時リハビリの専門医に、
「車椅子でも何でも使って、早期の社会復帰を目指した方がいい」
とアドバイスされても、聞く耳を持てませんでした。
自分の身体でその後色々な経験をしたから言えることですが、
このアドバイスは正しかったと今は思います。
軽くない脳出血だったのに、私は身体機能の回復に固執しすぎました。
そのお陰で今ある程度歩けることは財産ですが、費やした時間を考えると、切り替えをすべきだったと思っています。現状、杖歩行で電車にスムーズに乗るのは困難です。
行動範囲を広げたいなら、車椅子の活用は必須
悪く言えば頑固だったため、車椅子主体の生活にすぐに切り替えられませんでした。
そのため、車椅子を使って単独で動くようになって、まだ2年目です。
家の周りから少しずつ行動範囲を広げて昨年一人で電車に乗れるようになりました。
電車の利用方法については、私と同じく当事者の視点から情報発信をされている
横山和也さん(株式会社万福 監査役)が編集長を務める情報サイト「Be Happy」
に掲載されている横山さんの記事(『車いすユーザーが電車に乗るには!?』)
がとても分かりやすいのでそちらも合わせてご覧下さい。
なお、横山さんには私の活動として行っているインタビューをさせて頂きました。
ノーカットの形でメルマガで紹介するので登録してお待ち頂ければと思います。
他にもチャレンジドに関わる様々な方のインタビューをメルマガでは毎週
お届けしています。
横山さんとは、「何か一緒にやりましょう」とお話させて頂いています。
今後、情報発信でも何かコラボしたいです。
さて、私の記事では、前述の横山さんの記事と重複しない視点から。
揺れに対応できないレベルの杖歩行で電車に乗るのは危険です(私自ら検証済み)。
安全が最優先だと思うので、車椅子を使うのが合理的だと私は考えています。
電車利用の手順は横山さんの記事を見て頂くとして、
乗降時と乗車中について写真で補足します。
豆知識
①専用のスロープは2キロくらいらしく軽々用意できます。
②途中下車はできない!?
私がよく利用する路線は駅員さんが一人の駅が多いそうです。
「途中でお腹痛くなった場合降りられますか?」と質問したところ、
「連絡が間に合わず、スロープの準備ができません」とのこと。
下半身不随の両腕で自走式車椅子を操る方々で、ウィリーができる場合は、
スロープ無しでも電車の乗降をしているようですが、
電動ユニットが付いている車椅子はウィリーできませんし、かなり重いので、
私が乗ったまま他の乗客の方に担いで頂き降りるのは無理だと思います。
本当に耐えられない場合は、
「次の駅で降ります。私は車椅子から降りて下車しますので、
空の車椅子を降ろして頂けないでしょうか?」
と力のありそうな方、二人に頼み込んで何とかすると思います。
③介助専門と思われるスタッフの方がいる駅もある
乗降客数の多い駅にいるようです。エレベーターまでの誘導もしてくれます。
このように駅による差があります。
④乗車位置はだいたい乗車駅か降車駅のエレベーター付近の車両
そこで待つように誘導されますが、
希望すれば対応可能な範囲で好きな場所で乗れると伺いました。
ラッシュ時にあえて乗る用事が今のところ無いので控えていますが、
ストレスが大きいことは容易に想像できます。
そもそも乗れるのか心配なので、駅員さんに確認したところ、
「大丈夫です。車椅子の方が乗られます!」と言って空間空けてもらいますから、
とその駅員さんはおっしゃっていました。
思わず、この時に既に乗車中の方々の反応を見るために、
試したい誘惑に駆られました。
とはいえ、私は行政書士ですので公共の福祉を考えてさすがに控えます。
最後に
私の若い頃のように歩くことにこだわりがあって、車椅子に抵抗がある方もいらっしゃるかと思います。
それぞれの価値観は尊重されるべきものですから、
車椅子をあえて使わない選択ももあると思います。
それでも私としては、転倒して、ケガをしない方がいいと思うので、
同じような立場の方には車椅子での電車利用をお勧めします。