制度は申請主義 ならば当事者側が動けるように知れる仕組みが必要

年の瀬と言うことで私自身の1年を振り返り、今年の経験の中から、
大きかった事を2つピックアップ。

このブログの99記事目と100記事目とします。

来年に向けた課題として、インタビュー記事を
今年はあまりUPできなかった点を挙げることができます。

諸事情によりよりクローズドなメルマガではOKでも、
ブログでの転載にNGが出るケースがあります。

それでも、何とか来年はインタビューの要約記事を月に1記事
程度のペースでUPできるようにしていきます。

さて、今回の内容に入ります。

2017年は私のチャレンジド人生において、
一つの転換点となりました。

その端緒となったのが、これまで一切利用していなかった
障害福祉サービスを利用するようになったことです。

勿論、情報発信者として様々な現場を
直に見たいと考えたこともあり、制度のことを
詳しく知ってすぐに利用しました。

詳しく知れたのは、この活動でしているインタビューのおかげです。
障害者と福祉サービスを繋ぐ専門職である相談支援専門員の方に
話を伺えたことで私の考え方が変わりました。
詳しくは後述します。

勿論、直に現場を見たいという好奇心だけで公金が使われる福祉サービスを
利用するのは動機が不純です。

私のQOL(quality of life)を向上させるために必要があると判断し、
手続きを進めました。

その過程で、左上肢が使えないため、
どうしても洗いが不十分になる入浴に
ヘルパーさんが入る居宅介護サービスと
現状の収入が不十分なので少しでも増やすために
就労継続支援A型事業所でのパートタイムでの福祉的就労を

スタートさせることになりました。

このうち、後者は定期的な通勤を伴うので、
今年の私に起こった大きな変化である総括の後編で書く
外出での移動能力の向上に繋がりました。

つまり、障害福祉サービスの活用は私の人生を確実に
好転させてくれました。

では、なぜそのような良いモノを障害者になって、
17年経過する今年まで活用していなかったのか。

行政書士なので名前やサービスについてはある程度
知っていましたが、利用する側としては介護タクシーや
訪問リハビリくらいしか接点がなく、
詳しく知る機会がありませんでした。

この点について本稿では問題提起します。

無知による機会損失を減らせるように

前述のように、接点がない、つまり普通に生活していて、
特に家庭に障害者本人を支える力がある場合、
本人は特段生きていく上で特段不都合を感じません。

そのため、障害福祉の制度にアクセスする機会が
発生しません。

障害福祉サービスに限らず、年金もそうですが、
行政の作った制度は「申請主義」という構造になっています。

つまり、行政側から「こんなサービスがあって、利用可能ですよ」
と親切に動くことはありません。

本人がこの制度を使うとことの意思表示として、
申請書類を出すことで制度が動き出します。

行政側が積極的に動くのはこのような給付の場面でなく、
徴税など国民に義務の履行を迫る場面です。

権利があるのに、その上に眠る者はは保護されないのです。
ですので、「無知」は国民にとって損失に繋がります。

知らないと損するように世の中はできています。

では、このような制度の存在を皆さんご存知でしたか?

関係者以外はおそらくNOだと思います。
学校教育の中で、憲法上の三大義務を暗記する機会はあっても、
このような事は福祉系の専門科目を
高等教育で履修しない限りは習いません。

時間の関係で高校までの学校教育に組み込むのは現実的ではないので
私の考える解決策は次の通りです。

障害分野における医福連携の推進を

現在私が活用している障害福祉サービスのうち、
就労系の就業継続支援A型事業所での就労。
パートなので小遣い程度にしかなりませんが、
働けば確実に稼げます。

これは障害者にとり、とても大きな事だと考えます。

詳しい経過は省略しますが、
私は退院後即座に社会復帰を目指し、
公務員試験や民間企業の採用試験を受けました。

その後紆余曲折を経て、
行政書士として独立に至りました。

このサービスの利用という選択肢は、
当時の私には存在しませんでした。

そう、知らなかったからです。

退院してすぐに
この制度の利用をできていれば、
違った人生になっていた可能性
は大いにあります。

私は知らなかったため
制度と繋がりようがなかった。

自分で調べるにしても、当時は社会復帰と言うと、
健常者時代のように働くというイメージしか
頭になかったです。

ですから、やはり自分のアンテナでは、
キャッチできなかったと思います。

よって、ここには辿り着いていないと思います。

そこで提言です。

介護分野の方では割と進んでいる
医療と福祉の連携が障害の分野でも当たり前の
ようになされるようにすべきです。

具体的には、医療分野で退院の際に次を考えることに
関与する専門職であるMSWと
私に障害福祉サービスを教えてくれた専門職である、
相談支援専門員が連携する。

そのようにして、患者に情報が行き渡る仕組みを
構築すべきと考えます。

 

投稿者プロフィール

島本 昌浩
島本 昌浩
バリアフリーチャレンジ!代表
challenged-view編集長