実施日:2022 年2月9日@facebookLIVE
今回の対談ゲストは、
初対面がネット生放送というチャレンジ
をひきうけてくださった坂本真一さん。
坂本さんが師と仰ぐ方のお一人で、
言語聴覚士としてNPO法人Reジョブ大阪で
高次脳機能障害や失語症の方を支援されている
西村紀子さんと私の生対談を、
坂本さんが見てくださっていて、
生放送中にコメントをくださった経緯がありました。
今回初対面ですが出ませんか?
というお誘いをなぜうけてくれたのか。
坂本さんは、
通所利用者に「高次脳機能障害やか失語症」*
*脳卒中や事故による脳へのダメージに伴う後遺症
を患ってる方が多くいらっしゃっる就労移行支援事業所
が職場で障害者の就職支援ををされています。
西村さんの回をご覧になり、
ありがたいことに、私の行動的なところに惹かれた
とのことで、せっかくの機会なので、
話をしてみたいと出演を快諾してくれたのでした。
対談冒頭にしたこの部分の受け答えから
しっかりと語る方だな
という印象を受けました。
「台本なしのフリーで」
という事前の振りにも、「OKですよ」
という感じ。
ただ、「完全に何もなしというのは不安がある」
という率直な話もあり、そしたらということで
坂本さんを表すキーワードを3つ事前に伺いました。
坂本さんのお人柄「愛妻家」
島本:流そうかなと思った項目ですが(笑)、
奥様が見られているかもしれないので、触れます。
「愛妻家」とありますが、コメントがあればどうぞ。
坂本:妻とはお見合いで知り合いました。
最初に私と妻のお母さんとが仲良くなりまして、
娘と会ってみないかと話をいただいて
お見合いみたいな顔わせの初デート、
2時間があっという間と感じる
カフェでの時間を過ごしました。
すごく価値観が合う素敵な方で、
とんとん拍子に結婚しました。
妻の事をほんとに毎日「愛してる」
って伝えるぐらいコミュニケーションを
大切にしています。
今の人生を支えてくれる
自分の毎日の仕事を頑張るモチベーションの
源泉です。
島本:「愛妻家」と自分で言う人は
あまりいないですよね。
ご結婚されてどれくらい?
坂本:2年とちょっとですね。
島本:「愛してる」
を毎日ちゃんというって
すごいですね。
坂本:三年ぐらい経つと
さすがに愛情が冷えてくる
家庭があると聞いたこともあるんですけど
幸い私たちはそうでもないところが
他のカップルと比べて珍しい
と言われることが多いので
そうなのかな?
って思うところもありますね。
島本:承知いたしました笑
坂本:笑なんかすいません。
私もこういう自己開示するのは初めてなんで
ちょっと緊張しております。
と、一つ目のキーワードから坂本ワールド全開でしたが、
5月には女の子が生まれ(おめでとうございます!)、
育休も取得されたとのことで更に良き夫、
父になっていきそうです。
島本:もう緊張は解けたと思います。
改めて番組名「ボーダーレス」ということで
対話によって人と人の間にあるボーダー(境界)を
小さくしていこうという試みをしております。
そのような対話が今日できればと思います。
知り合ってから初めて話す坂本さんとの間に
どんなボーダーがあるのかまだ分かりません。
そこを探りながら進めます。
読者の皆様もこういう人がいるのか
という発見があればいいなと思っています。
「カルト宗教」被害への特別な想い
キーワードをもらった中で異彩を放っていたのが
「カルト宗教」です。
これはどういうことでしょうか?
坂本:来た!という感じですが、
そもそも普通の宗教とカルトの違いですが、
島本さんは宗教はみんなおんなじだって考えていますか?
「カルト宗教」と聞いて、
どんなイメージが浮かぶか知りたいです。
島本:言葉のイメージはよくないですね。
ただ、私には特定の信仰がないので
そういう立場からすると、世間でカルト宗教
とされているものとカルトのつかない宗教に
どんな差があるのだろう?とフラットに考えています。
坂本:カルトっていったら薬物を使ったテロ事件とか
騒ぎを起こすっていうのが一般的なイメージ
かと思うんですが、
意外とスマートなカルト宗教もあります。
対話しながら認識の偏りを修正するような
アプローチができないかという考えに基づいて、
カルト宗教に騙されてしまった方や
ご家族の相談を受ける活動を私はしています。
騙されているというか、
普通の宗教の場合はほかの宗教を調べても
何の問題もないんですが、
カルトの場合は自分たちのところだけが
唯一正しい宗教だと信じているので、
「他の宗教は、邪道だから調べると
悪魔にとらわれてしまう危険がある。
危険だから絶対に他の情報を調べるな」
という脅しをかけたりするんですね。
「他の宗教に心を惹かれてしまうと
あなたは将来地獄に落ちますよ」
みたいなことを言われてしまって
本人が逃れられないように
恐怖心でがんじがらめに縛るようなことを
実際やっている団体があるんですよね。
一度入るのは大歓迎で入信はするんですけども
入ったら思ったのと全然違って
すごい厳しい規則の中で寄付金を要求される、
特定の医療行為を拒否するような教えを受けて
命が助かるのに亡くなってしまう方も
中にはいらっしゃるんですね。
そうなってくると、宗教は人を幸せにするために
存在するはずなのに、逆に団体上層部の
都合の良いようにその人の人生が
消費されてしまって終わりを迎えてしまう。
っていう悲劇が起こっている現状を知って
何とかしなければいけないなと思い
少しでも役に立てればと活動しています。
島本:先ほどおっしゃっていた
障害者の就労の仕事とは別に
されている活動ということですね。
坂本:そうですね。
ほぼ個人で、ボランティアみたいな感じです。
島本:人が流されてしまう構図があるようですが、
認識を変えていくアプローチをしていくということは
専門的な勉強をされてきたんですか?
坂本:そうですね。
心理学の中のマインドコントロール
に関する専門書を読んだり
被害者の会に参加したりして
そこで学んでいます。
島本:ボランティアに近い感じで
自分の時間を投入してまで
この活動をするようになった経緯は?
坂本:私の親族が宗教に限らず
カルト的な団体に入って
そこから影響を受けて
人格が変わってしまったりとか
「カルト」と一般的に言われている宗教
に入ってしまって人生がすごく変わってしまった。
そういう人が身近にいたんですよね。
以前は、普通の優しいお母さんだった人が
例えば子育ての悩みを抱えてるときに
布教活動で自宅に訪ねてきた人に
すごく優しくされて心を開いて、
「これを学んだら生活がよくなりますよ」
と言われ入信してしまう。
でも、入った後には、夫よりも神様のほうを優先して
家族や家庭をないがしろにして
布教活動に毎日のように出て行ってしまう。
そういう人生のバランスを崩しているじゃないか
家庭を幸せにするのが宗教のはずなのに
逆に家庭を破壊している状況に苦しんでいる人を
間近で見てしまったので自分としては許せなかったです。
私の親族にとっては夫のため、
家庭を幸せにするため
人の役に立ちたいという善意を持っていたんですが、
それをカルト宗教に利用されてしまい、
家庭が崩壊してしまった。
島本:身近にあったんですね。
坂本:そうですね。
島本:今その活動をされている経緯が「愛妻家」
というところにもつながっているのかな
という気がしたんですけど。
坂本:意識したことはなかったですけど、
言われてみれば、そういう家庭を身近で見ているので
自分の家庭はそういう風にはしたくないな
っていう思いはすごい強いかもしれないですね。
仕事とかそのほかの事は代わりはいるけれど
妻にとっての夫は私だけなのでそこには責任がある
というか私の行動によって妻が幸せになるか不幸になるか
大きく影響してくるので悲しませたくないな
という気持ちはあるかもしれないですね。
島本:「愛妻家」について
触れておいてよかったです。
「PCインストラクター」のスキルを活かして
もうひとつは、主に仕事に関連すると思うんですけど、
もともとパソコンのインストラクターをされていて、
パソコンを教えるのがお得意だと。
それは今のお仕事に活かされているんでしょうか?
坂本:はい、すごく活かれています。
やはり障害者雇用で入る職種と言ったら、
パソコンを使う仕事がほとんどなんですよね。
MicrosoftのExcelやWordは事務職であれ
そうでない職種であれ使うと思います。
でも、意外とパソコンを使ったことがない方が
就労移行支援事業所にいらっしゃいます。
初心者に教えることは得意です。
そこでこのスキルが発揮されて
利用者さんからも「わかりやすい」
っておっしゃっていただいています。
就労移行支援事業所とは?
島本:ご覧になっている方のために就労移行支援事業所
というのがどういうところか分かりやすく
説明していただいていいですか?
坂本:精神障害や身体障害とか、
障害者が復職をしたい
あるいは就職をしたいときに使う
障害福祉サービスの一つです。
2年を上限としてそこで
就職するために必要な
面接の練習等の訓練
実際の面接への同行をして
就職につなげていくお手伝いをします。
例えば、パソコンやビジネスマナーを教える
職業訓練があります。
また、別の方面で自分は障害でどんなことが
苦手になってしまったのか、障害があっても
どういうことが得意なのかを
本人が自覚できるような気付きを
与えるような訓練もあります。
そうすることで就職したときに
会社側にどんな配慮を望むのか、
自分はどういうことだったら得意か
をアピールでき、就職しやすくなります。
そういったサポートをしております。
島本:伺っている話では、高次機能障害、失語症の方
を対象にという形容がついていたと思うんですけど、
その障害の方に特化した事業所なんですか?
坂本:そうですね。
特化しておりまして、所内に理学療法士と作業療法士がいて
高次機能障害の方、失語症の方、身体障害を持った方
の支援ができるようにプロのセラピストを入れて
支援をするのが特徴です。
理学療法士の方が身体に、
作業療法士の方が細かい作業をどうしたらうまくできるのか
を専門家の視点でサポートして、
私はパソコンを教えるのが得意なので
パソコンの使い方を身につけていただく
指導をしてお互いに強みを生かして
仕事をしております。
島本:最初緊張されてるとおっしゃっていましたが
お話が流暢で学者みたいに感じます。
障害者雇用について
坂本:いえいえ、そんなことないです。
島本さんは障害者雇用で今のお仕事を
されているんでしたっけ?
島本:そうです。
何か就労移行にいる立場から
私に逆に聞いてみたいことがあればどうぞ。
坂本:やっぱり就職活動で、
なかなか採用に至らない、
書類選考、面接に通らなくて
右往左往されている方がいらっしゃいます。
まずお伺いしたいのは、
自分にどんな障害があるのか自覚するのが難しい方
(専門的には病識が欠如している方)に関連する
ような点で苦労された点や
こうやって乗り越えたというエピソード
があればぜひお伺いしたいと思います。
島本:私の場合は障害特性が肢体不自由で
車いすを使っているので、障害が人から見て分かりやすい
という点で病識については、
「こういうことが苦手のでは」と
他者であっても想像しやすいので
伝えるハードルが低い
というある種の利点がありました。
その中でも見えない障害である坂本さんの事業所が
専門にされている高次脳機能障害の傾向もあります。
しかし、実際に医学的診断までは受けてないんです。
診断を受けてないので私は面接ではそれを
業界的に言うとクローズ(障害のことを伏せる形)にして、
具体的にはこの障害の詳細にあえて触れずに
採用されました。
逆に同じ見えない障害として、脳の手術をした影響で
けいれんの発作が出る恐れもあります。
ただ、薬を飲めばほぼコントロールできる
というのが医学的定説で、実際私自身も15年以上
出ていないという説得力のあるデータを持っています。
そういう見えない障害でも相手を安心させられる材料があり、
仮に出てしまった場合の影響が大きいことは
伝えるに越したことはないので言うことで安心していただく
という感じで戦略はかなり練りました。
坂本:すごく大事な点ですね。
例えば、面接のとき特にこういうところは工夫してみた
っていうのはございますか?
島本:会話のテンポに特に気をつけていました。
相手によって違うんですけ、ど私が障害者になってから
初めて採用されたのが外資系の企業で、
そこの面接の担当だった方が結構ポンポン
質問してくる感じだったので個人的にはやりやすかったんですけど、
入った後で聞いたら、通過させるかは5分程度話せば判断できる
という感じの事をおっしゃっていて。
少なくとも、質問する側が質問に迷ったら終わり
ともその方はおっしゃっていましたね。
そういう方からしたら、
自分のテンポに近い感じで答えがポンと
返ってきたほうが心地いいんだろうな
という感じで相手のリズムに合うように
というのは心がけていました。
坂本:初めての私との会話でも合わせてくださってるんだな~
という感触があるのできっと面接官も
話しやすかったんでしょうね。
島本:この番組での私の役割は基本的に話を伺う
ことです。お話されている間は割って入らない
という当たり前のことをしているくらいです。
今はご質問いただいたのでしゃべりましたけど、
私がしゃべり過ぎないようにしています。
逆に、過去にサポートに入ってくれているメンバーから
島本さんの沈黙が多い。
これは見ている方が不安になるから気を付けてください
というフィードバックがあったくらいです。
坂本:もう一つ質問したいんですけども
実際に就職されてから苦労されたことはございますか?
島本:どんな仕事にも楽しみを見出そうと私は考えています。
ですので、あまり苦労は感じないです。
以前、私は自営業をしてたんですけど、
その時の、その月の収入がちゃんとあるかどうかわらない
という不安を経験したのは大きいです。
就職して組織に入ると、会社が傾いたり、
解雇されない限り、給料が保証されるので
その分はちゃんと働かないと、
という責任感は強いです。
坂本:自営でされていたのは行政書士ですよね。
その仕事と就職された外資系の仕事は関連しているんですか?
島本:外資系の企業の時はほぼ関係はなかったですね。
その後、仕事を移って期間契約で市役所職員として
現在働いています(2022年2月当時)。
ここでは私が行政書士でやっていた分野ではないんですが
新人の頃にいろいろ研修に出て学んだ事が出てくるので
あの時そういえばこういうことを言ってたな~
という形で活きています。
坂本:私はパソコンインストラクターと福祉の仕事は
全然違うと思っていたんですけど、
入ってみてこんな感じで自分のスキルが活かせるんだなと
やりがいを感じたんですよね。
島本:そうですよね。
福祉は業種で、パソコンインストラクターは職種
なので、その業種に入ってスキルが活かせる部分は
たくさんあると思います。
個人の有するスキルをどう活かしていけるかは
その人次第だと思います。
組織がそれをうまくそこにある仕事と
マッチさせられば生産性も上がります。
この点は、障害者についても同様
だと思います。
坂本:そうですね。
私は福祉の仕事をする前は福祉のイメージは
恥ずかしながら介護しかなったんですね。
入ってみるとかなり多様な仕事の領域
があるんだなっていうのが
学んでみて感じるところですね。
島本:人の人生に密接に関わる仕事ですよね。
私もいろんな福祉関係者のお世話になっています。
いろんな方がいらっしゃいますけど、
総じて福祉の業界で働かれている方というのは、
大雑把な言い方になりますけど
熱くていい人が多いと感じます。
坂本:前回の放送(引っ越しについての私の経験談を語った回)
のエピソードを聞くと、本当に親身になって対応してくれる
事業所さんに囲まれてるなという印象を受けました。
心があったかくなりました。
島本:先月の話ですね?
坂本:お風呂に入るのが引っ越し先の事前調査が甘くて
思ったより大変な構造だったという話をされていましたね。
島本:今の話は先月、主に私がメインで話した回の事に
触れてくださったのですが、↑の「前回の放送」にリンクを貼っているので、
そちらからご覧になれます。
坂本:実際に生活されている方のトラブル
というか困ったなっていうことを聞くと、
障害福祉サービスと介護との福祉サービスの切り替えが
うまくいかなかったりとか実際のジレンマが分かって
すごく私も勉強になりました。
あと、自己紹介には含めてはなかったんですけども
今、通信制の大学で社会福祉士と精神保健福祉士の資格
を取ろうと思って勉強中の身でして
島本:今、働きながら?
坂本:はい。これは制度が一人一人にうまくかみ合っていなくて、
うまく使えていない、
実際のその人に最適化されてない
という状況が起こってしまっているのを見ると、
そこを本人の望む生活をするにはどうすればよかったのか
っていうのをすごく考えるきっかけになりました。
島本:もうすぐ予定時刻の3分の2があっという間に過ぎようとしています。
坂本:ほんとですね。
島本:今のところ、緊張しているとおっしゃいながら
淡々とお話になる愛妻家の坂本さん、
ご覧になっている愛妻家に興味のあるみなさん
ぜひ坂本さんのTwitterをフォローしてください。
「のろけ」がいっぱい書いてあるんですよね?
坂本:いえ、ないです(笑)。
島本:そうなんですか?
坂本:私のTwitterでは
仕事関係の高次脳機能障害の支援
に関わる中で気づいたこと、
高次脳機能障害の無料セミナーの情報
などをまとめた投稿等の情報発信
がメインとなっております。
島本:それを今日から「のろけ路線」
に変えられるそうで?笑
坂本:「のろけ路線」には変えられないです笑
島本:ぜひぜひフォロワ~を増やして「のろけ」を。
「のろけ」いいですよね。のろけてみたいですね。
坂本:のろけ話を聞きたい人は、
ダイレクトメッセージでお願いします。
真面目な話としても
私はパソコンを教えるのが得意でして、
チャットとかを使って画面をキャプチャーして
(リモートで)教えたりとか
そういうのも仕事でやっております。
もし、そういった何かパソコンの使い方で
こういうことで困ってるよ
っていうのがありましたら、
ぜひTwitterのダイレクトメールで
気軽に送っていただければ、
お役に立てることがあると思うので
ぜひ連絡をいただければ嬉しいと思います。
島本:意外とぐいぐい行きますね…
坂本:人の役に立てばうれしい気持ちがあるのと、
それが次のモチベーションにつながるところもあるので
なるべく生身の人とかかわる機会を増やしていきたいと思っています。
やっぱり教科書の勉強だけじゃ机上の空論だけで終わってしまうので
現場というか実際に困っていることは一人一人違いますので
そこでいかに自分の支援の質を上げていくかはすごい考えていますね。
島本:カルト宗教の話がすごく熱かったのが意外でした。
坂本:あ、そうですか。
島本:残り3分の1で。
坂本:カルトと一般宗教の違いとか、
カルトでどんな問題が起こっているかということを
自分なりに話したんですが、
島本さんとしては何か印象が変わったりとか、
もうちょっと聞きたいなっていうことはございますか?
島本:騙された人が身近にいたということですけど、
良かれと思ってそういうところに行ったら、
全然違ってみたいなお話でしたね。
そういうところに惹かれていくときの
心理状態に共通点はあるんですか?
坂本:共通点…
島本:こういう時は気をつけろ!みたいな。
坂本:共通点、っていえば、環境が変わったときとか
孤立をしたときが一番はまりやすいと言われています。
例えば私の知っている人の例では初めての子育て。
出産して初めて赤ちゃんを育てなきゃいけないってところで、
環境が変わってストレスがかかっていて、
相談したくても相談できる人が身近にいない状態
だとすごく不安になりますよね。
そういうところで突然訪問してきた人が
すごく優しくて親身になって話を聞いてくれると、
どうしても人って信頼してしまう。
その人の価値観を受け入れてしまいやすい
心理状態になってしまうっていうのはありますね。
なので、同じようなことは例えば大学生が
親元から離れて大学生活を始めてまだ友達がいない
っていう状況になったときに、
大学のサークルの中でカルト宗教団体が
別の名前で活動して勧誘されてしまう
というような問題があります。
同じようにまだ友達がいなくて、
見知らぬ土地で地域に信頼できる人がいない
っていう状況ですごい歓迎してくれるような
集団と出会ったら、そのコミュニティに入りたい
っていうような気持ちになってしまうと思いますね。
島本:そういう何かを奪おう、
騙そうとかする人たちは人の不安につけ入る?
坂本:そうですね。
特殊な教えをそのコミュニティはみんな
信じているのでいつの間にか警戒心が
だんだんなくなってそこの考えに染まってしまう。
その世界観に染まってしまうと
逆に一般の価値観を拒絶していく。
そのように価値観が変わっていくんですかね。
すごい人格が変わってしまう
ようなところまでいってしまうんですよね。
孤立の他、本人の自己肯定感の低さっていうのもあるんですよね、
自分の自我が確立している人は自分の人権を侵害されたとか
自分が入信したあとに自分が大切にされてないと感じたときに
断ることができる。
抜けることができるけども、
どっぷりはまっていってしまう人は
逆に自分の自己肯定感が低くて
他人に認められることによって
自分の価値を見出そうとするんです。
そうすると周りのカルトの人たちの価値観
に合わせてその人たちに認めてもらいたい、
喜ばせたいってなってしまう。
結果、一般的には非常識なことだったとしても
それを受け入れてしまって、
霊感商法等の活動にのめりこんでいく。
人の弱い部分、おっしゃる通り不安だったりを
うまくついた勧誘をされているころに
すごく怒りを感じますね。
結局、その人はいい妻になりたいとか、
良い社会人になりたいと思って入ったものの
実際は組織の良いように利用されて
自分の人権とか自由すら
侵害される状況に落ちていってしまうのが一番の問題だと思うんです。
一般の宗教だったり、福祉の世界はその人の幸せ、
その人の望む生活を実現するためにどういう風に協力していくか
という視点で宗教家だったり福祉職の人もそれぞれの価値観で
支援をしていて本人の同意、本人が同意することと
幸せになることとが不可欠だと思うんです。
その人の弱みに付け込んで自分の思い通りに
コントロールしようという思いで
やっている福祉職の人はいない。
というかあってはならないと思います。、
でも、それとは真逆の事をしている人たちがいる、
っていうところがすごく問題だと思います。
だからこそ、もしそのカルトにはまってしまった人が
はまらずに済む方法はなかったのかというのをすごく考えるんですね。
もし、子育てに悩んでいて正しいやり方がわからずに
孤独で苦しんでいる母親がいるとして、
その時にカルト団体の勧誘者じゃなくて
訪問福祉の、訪問相談員のような人たちと最初の繋がりができたら、
その人の人生は変わっていたんじゃないのか?
その人の周りに信頼できる相談相手、近所の先輩のお母さんとか
そういう健全な人との繋がりがあったら、
カルトに人生を奪われる必要はなかったんじゃないか
という悔しさがあります。
福祉の世界で自分が学ぶことによって、
カルトにはまってしまう人を一人でも
減らすことに自分が貢献できるんじゃないか
って思うことが自分が福祉の世界で学ぶ目的となってるようです。
障害を持つお子様をもって悩んで宗教に救いを求める。
そこはいいとしてそこがカルトだと利用される。
そこが辛いところですね。
島本:愛妻家がもっと増えるといいですね。
坂本:あ、それもほんとにあるんですよね。
夫がもっと子育てに協力するような社会に変われば、
妻、お母さんの相談相手として夫、お父さんという存在がいれば、
カルト宗教に手助けを求めるようなこともなかったと思うし、
そういった面でやっぱり愛妻家が増えることも必要ですね。
5名の方、リアルタイムに無名の私ですけど
ここまで視聴していただきありがとうございます。
島本:ちょうどもうすぐバレンタインデーという時期で。
愛されている奥様から何かいただけるんでしょうか?
坂本:はい、プレゼントをもらう予定になっておりまして。
チョコレートをリクエストしているところでございます。
島本:リアルタイムでご覧になっている方5名いらっしゃいます。
そろそろ終了に向けて話していきます。
1月は私一人でやったんですけど、
12月の時に坂本さんがコメントをしてくれて今回の出演決定。
ボーダーレスということで、形式的に出ている出演側と視聴側
のボーダーを一つ壊せたなと今回思っていて、
この形いいな~と個人的に思っています。
なかなかこれまでの私の人生で出会えなかった人と
この場で出会えるというのは非常にありがたい話です。
あと1分あって何もコメントがなければ、
今日は質問タイムはなしということで
番組も締めてていこうと思います。
流れておりますBGMは、
バリアフリーチャレンジのチームメンバー、西濱優衣香さん
(その後、次回ゲストとして出演されたので島本の次回記事でお届けします)
作曲・演奏のピアノ曲「生きる意味に悩んだとき」です。
坂本:素敵な題名ですね。
島本:こんな時にカルト宗教にはまらないように
という教訓が残ったボーダレス第三回でした。
では、ピアノの旋律を聞きながら終わっていこうと思います。
坂本:今日はほんとにお話させていただきましてありがとうございました。
島本:どうもありがとうございました。
ご覧になっていただいた皆様、
また来月やりますのでよろしくお願いします。