バリアフリーをソフト面から支えてくれている専門職の一つ、介護福祉士として働いているインタビュー当時29歳の若き友人
ゆきさん(基本的にほとんどの方にフルネームの実名で受けて頂けていますがフルネームの公表の許諾が得られていないケースです)

今回はショートインタビューをお届けします。

 

一般的にきつくて待遇も良くないと言われている妻、母としての役割も果たしながら介護現場で働く一人の女性の声です。

ゆきさんは特別養護老人ホーム、高齢者住宅等で10年働いてきたキャリアがあります。

 

島本:どのような資格で働かれていますか?

ゆき:ホームヘルパー2級で働き始め、仕事と家庭の両立を考え、
じっくり勉強して、5年目に介護福祉士を取得しました。
資格手当が1万円くらい付きます。

と言ってもホームヘルパーと介護福祉士の仕事内容は同じです・・・。

ただ、介護福祉士の有資格者の比率によりもらえる介護事業者側の報酬が変わるので受けるように推奨されていますね。

資格手当てが付くのは大きいので、(勉強嫌いの)私もチャレンジしました。

親戚が介護職でその話を聞いて楽しそうに感じたのがそもそもこの仕事を目指したきっかけというゆきさん。

実際に仕事してみてどうだったのでしょうか。

 

島本:世間的にはきつくて大変というイメージもある業界ですが?

ゆき:最初の職場が、特養で要介護度の高い人が多かったこともあり、自分の思い描いていた高齢者に寄り添う介護のイメージと違うものでした。

ひたすら入浴・排泄・食事介助のサイクルという感じで理想と現実のギャップがかなりありました。

正直「大変なとこに来てしまった」と思いました。

でも、仕事の中で認知症の利用者の方が昔の話をしてくれて
高齢者を愛おしく思えました。

また、「自分が認知症になったらこのタイプのおばあちゃんかな」等と考えて楽しんでいました(笑)。

最初は衝撃を受けましたが、続いているのはやはり楽しいからだと思います。

妻、母として同じく介護職員のご主人と営む家庭生活はどうなのでしょう。

島本:主婦業との両立という面ではどうでしょうか?

A:そこはやはり大変ですが勤務先は勤務時間に配慮してくれています。

7時に子どもを預けて、7時半出勤、6時退勤のシフトで動いています。

※島本補足:このインタビュー後により待遇の良い職場を求めてゆきさんは職場を移られました。

業界の人材問題についての認識を伺いました。

島本:人手不足が言われている業界ですが現場の感覚としてはどうですか?

ゆき:本当に足りません。基準ぎりぎりでやっていて、定着率が悪いです。

介護業界内の求人は多いので、業界内で待遇のいいところを探して動くケースが
私の周りでは多いです。

※島本補足:マクロのデータでは、業界内の移動より介護業界から去る人が多いというのが実情です。

ゆきさんは介護の仕事が好きで一生懸命仕事をして、同時に妻、母としての役割も果たしています。

となると、日々目の前のことをやるだけでもかなり大変だと思います。