これからの社会はユニバーサルの思想で創っていく必要がある
ハードの整備に際し、基本コンセプトとなるべき事柄を書きます。
結論を言うと、今後のインフラ整備や老朽化したインフラの改修等は、
「ユニバーサル」を追求すれば、「バリアフリー」に
なるし、「バリアフリー」は「ユニバーサル」に繋がることを
意識して進める必要があります。
説明する上でまず言葉の定義を整理する必要があります。
「ユニバーサル」や「バリアフリー」という言葉が
入った法律があったり、建築や福祉の分野でも使われたり、
文脈で意味は微妙に揺れ動きます。
ここでは最大公約数的な定義を。
ユニバーサルデザイン:年齢・性別・人種・国籍・障害の有無
に関わらず「様々な人が」利用しやすいようにデザインされた
建物や製品等のハード及びシステムやサービスなどのソフト
を表す
バリアフリー:障害のある人が生活していくうえでのバリア(障壁)を
取り除いた環境、もしくはそれを取り除いていくこと
どちらの方がいいですか?
二者択一で問うとおそらく「対象範囲が広い」と読める
「ユニバーサルデザイン」と、ほとんどの人が答えるでしょう。
予算に制約がないなら私もそう思います。
私が「ユニバーサルデザイン」の考え方を知った時、
ここではあえて「様々な人」と書いている部分が「誰もが」
になっていたので
「そりゃ実現すべく努力すべきやけど、現実的とは言えない」
と率直に思いました。
ユニバーサルデザインという言葉を多用される人の中にも、
ストレートには表現されませんが、「100%はない」
とおっしゃる方はいました。
だから、ここでは控えめに「様々な人が」としました。
全てをユニバーサルデザインで、というのが頭で考える限り
ベストの選択であることは、論を待ちません。
しかし、ユニバーサルデザインは、あらゆるニーズを満たす
訳で、「魔法の杖」です。
しかし、資源は有限。
「バリアフリー」は「ユニバーサルデザイン」に繋がる。
そこでベターな選択としてハードの整備において、
次のような方針が現実的ではないかと私は考えます。
まず、新たに造るにしろ、既存のものを改修するにしろ、
予算に応じて可能な限り「ユニバーサルデザイン」
になるように工夫する。
「魔法の杖」は一見高くつきそうですが、
生産性が向上すれば実現できる部分は増えるはずです。
次に、予算制約にかかる部分は原則として利用者数で
優先順位を付ける。
今後の社会の人口構成を考えると
「高齢者が使いやすく」を重視です。
それは私のような肢体不自由者への
「バリアフリー」にも通じます。
「バリアフリー」は「ユニバーサルデザイン」
に昇華できます。
「東京五輪で訪日外国人が増えるのに合わせての整備」
といった明確な目的が定められていれば、
その対応を重視したデザインにすれば良いです。
まとめると、これからの社会は「ユニバーサル」の思想を
基に創っていく必要があるということです。
それが一般の方にまで浸透するように
例えば、ユニバーサルデザインのトイレができた場合、
「障害者用トイレ」という名称は使わず、
「ユニバーサルトイレ」と呼んで理念を広く
発信できるようにします。
過渡期においては、「多目的トイレ」や「みんなのトイレ」でも良いです。
人の意識は言葉でできているので言葉は大切です。