お互い様の精神で、「誰もが」他者にほんの少しでも思いやりを持つことがユニバーサルの基本
(1)の要約
「ユニバーサルデザイン(以下UD)」は「バリアフリー」を含み、
「バリアフリー」を実現すれば、「UD」に近づく。
更に、これからの社会を創っていく際の基本コンセプトはユニバーサルで
あるべき。
———-
以上を前提に、今回は「UD」を目指すが故に問題になり得ること、
そしてその対処についてです。
「UD」は誰もが使いやすく、という話です。
よって、多様なニーズを汲む必要があります。
しかし、ニーズは必ずしも一致しません。
例えば、私のような車いす生活者と視覚障害者それぞれが
街を安全に移動することを目指す場合、以下のようなことがあります。
視覚障害者にとって必要な点字ブロック、
しかし、車いす生活者にとって、点字ブロックは
移動を阻害するものです。
道の幅が十分確保できるなら、
自転車専用レーンのような感じで分ける方法もあるでしょうが、
コスト的に現実的ではないでしょう。
個人的には、このケースでは、車いす生活者が
譲歩すればいいと思います。
点字ブロックがあると、その上での振動が大きくなる不都合はありますが、
移動そのものが不可能になる程ではないからです。
ハードの不備はソフトでカバーする
「心のUD」という言葉は長すぎるので、「心のバリアフリー」
ほど市民権を得ていませんが、「UD」にもそのような考え方があり、
ユニバーサルマナーとして、株式会社ミライロが普及に取り組んでいます。
さて、障害者同士でニーズがぶつかる分かりやすいものを一つ例示しました。
障害が無くても世の中には多様な人が暮らしています。
その中で、ハード面で間に合わないかなりの部分は
例示した車いす生活者の思いやりなどソフト面でカバーできると思います。
お互い様の精神で、「誰もが」他者にほんの少しでも思いやりを持てばいいと考えます。
これが「ユニバーサル」の核ではないでしょうか。