<聞き手:島本昌浩>
インタビュー実施日:2020年7月26日@Zoom
音のない世界で生きる
―マーケティングのお仕事をされているとのことですが、
仕事内容や仕事上のコミュニケーションについて教えてください。
(伊藤)
自社の製品について、お客さんに対して伝えるメッセージを考えて、
お客さんにプロモーションする仕事を行なっています。
主に社内の製品開発担当部署とコミュニケーションをしながら、メッセージを考えています。
―伊藤さんが作成したメッセージを
社外に発信して売り出していくという流れでしょうか?
(伊藤)
お客さんに製品を買いたいと思ってもらえるように
伝わりやすい言葉を使ってメッセージを作り、社外発信して売り出していくという流れになっています。
合理的配慮のある就労環境
―聞こえない障害があることによるコミュニケーションにおける情報格差をなくしていこう
という活動をされていますが、それがお仕事をされるうえで、役に立つ場面はありますか?
(伊藤)
私の会社はろう者が社内研修を受けたいと思うとき、
普通の会社にはついていない手話通訳がついていて、
技術や知識を高める事ができます。
また、まわりの方の特別な配慮もあり、
コミュニケーションを行うときに筆談やパソコンでのタイピングといった方法で
声の代替手段としてコミュニケーションをとることができます。
聴こえないもいろいろ
―聴覚障害と一口に言ってもいろいろな方がいらっしゃると思うので
伊藤さんの特性について立ち入ったことになるのですが、
今、お伺いしてもよろしいですか?
(伊藤)
はい。大丈夫です。
聴こえない人が声を出すということ
―聴覚障害者の中には声に出してしゃべる方もいらっしゃいますよね。
※このインタビューは手話通訳者を介して行われました。
(伊藤)
はい。います。
―主に中途失聴の方に多い印象です。
(伊藤)
私の場合は生まれつきです。
―生まれつきの場合、発語はなかなか難しいという理解で良いですか?
(伊藤)
一応大丈夫です。
ーえっと、「一応大丈夫」というのは、
伊藤さんの場合はしゃべることができるということですか?
(伊藤)
声を出すことはできます。
―それが流暢かどうかは別の話になりますか?
(伊藤)
100%きれいではありません。
―今回のようにZoomではなく、何人かの聴覚障害者の方に
メール形式や手話通訳付きで対面インタビューを私はさせていただいたことがあります。
その中で、同じように生まれたときから聴こえない方から、
発話をするためには厳しい訓練が必要と聞いたことがあります。
伊藤さんもそうされてきたのですか?
(伊藤)
発話の訓練は受けました。
聴覚障害者と手話
―現在の主なコミュニケーション手段は手話ということですか?
(伊藤)
そうです。手話です。
―私の住んでいる市では、手話言語条例が制定されています。
(伊藤)
すばらしいですね。
―ろう者は手話が母語であるということを拠り所にしていて、
そこを認めてもらいたいという思いを持たれているということを
私と同じ市に住んでいるろうあ協会の方に聞いた事があります。
伊藤さんにとっても自分のアイデンティティと切っても切り離せないという位置づけですか?
(伊藤)
はい。切り離せないです。
私の生い立ちを話してもいいですか。
伊藤さんの生い立ち
ーはい。お願いします。
(伊藤)
私は生まれつき聞こえません。
1歳位の時に母親が聞こえないかもしれないと気づき、
いろいろな病院に行きました。そこでいろいろな診察を受け、
「あなたの息子は聞こえない」と言われ、
いろいろな場所に相談に行き、日本語を習得する方法を探した結果、
京都府立ろう学校幼稚部に入りました。
40年くらい前の話です。
その頃は手話が禁止されていました。
そういうところが多かったです。
私が通ったところも手話を禁止されていました。
口話を教育を受け、口形、読話方法で
コミュニケーションするという生い立ちがあります。
その中で手話を使う経験はありませんでした。
そういう状況でずっと生活をしてきました。
小、中、高は普通校に通いました。
大学に入ったときに、同じように聞こえない学生に出会い、
その相手が手話を使っていました。
手話を始めてみて、手話の場合100%言いたいことを伝えることができる。
また、相手が言っていることも100%理解できる。
その事に私は初めて気づきました。
実はわたしは口話が上手ではありません。
口話は苦手です。口話の場合、想像で相手のことを受け取っています。
(理解しているのは)20%くらいだと思います。
ですが、手話を使うとほぼ100%情報を受け取ることができます。
そのことを知り、手話を始めたのが20歳のときです。
20歳から手話を覚え、国立リハビリテーションという場所で
手話通訳を養成する教官をされている木村晴美さんたちが執筆した
「ろう文化宣言」に影響を受け、私はそれまで自分の母語は日本語でしたが、
それがきっかけで日本手話に変え、それからずっと私の母語は日本手話です。
この本に書かれていたのは、「ろう者」=「耳の聞こえないもの」、つまり「障害者」という病理的視点から、
「ろう者」=「日本手話を日常言語として用いる者」、つまり「言語的少数者」という社会的文化的視点への転換でした。
そのような流れが私にはあります。
私の母語は日本手話になりました。
活動の原点
―大人になってから手話を覚えられたいうことですけれども、
幼い頃は手話がなかったわけですから、コミュニケーションにおいて
非常に不自由さを感じていたと想像します。
それが今の伊藤さんがされている活動の原点になっていますか?
(伊藤)
正確には、大学のときにやっていた
車いすに乗っている人を介助するボランティアです。
そのときに、車いすの利用者によるデモに一緒に参加しました。
車いすの利用者はとても強い力を持っていて、私はとても感動しました。
私は聞こえないことをみんなに伝えていませんでした。
困ったことがあっても全部は伝えていませんでした。我慢していました。
それが当たり前のことのように過ごしてきました。
しかし、車いすに乗っている人はみんな自分が不便なことを
一生懸命社会に訴えていました。
私はそこで色々と学ばせていただきました。
大学のときの経験です。その後会社に入ったとき、私の先輩に聞こえない方がいました。
その先輩が一生懸命、会社と戦って、手話通訳をつけてもらうことにやっと成功しました。
私が入社したときには手話通訳が当たり前のようにありました。
その先輩のおかげで会社に入って手話通訳があった。
そのなような先人の努力のおかげでろう者の活きる仕事ができる環境がありました。
他の会社の人には手話通訳がない。コミュニケーションが上手くいかない。
そういう場合、会社をすぐに辞め、転職する人がとても多いのです。
その中で私にできることはなにかないかという思いが
今のNPO法人の立ち上げにつながっています。
伊藤さんの活動紹介
―そういった車いすユーザーだったり、
会社の先輩の姿を見て、自分もということで
社会に向けて発信をされていっていると。
今主にされている活動はどんなことですか?
(伊藤)
主なテーマは、コミュニケーションバリアをなくす活動です。
―今、手話通訳という存在がいらっしゃる。
十分なマンパワーがあるかという問題はあると思いますが、
その中で、コミュニケーションバリアとは具体的にどのようなものでしょうか?
(伊藤)
いろいろありますが、例えば会議の内容がわからない、
電話の内容がわからない、
電車の中で事故が起こったとき、
緊急の車内放送が聞こえない、わからない。
病院に行っても医者の説明がわからない。
生活において、いろいろな場面でわからないことがいっぱいあります。
―今、挙げていただいた場面というのは、
「そうだよね」というのが想像できるのですが、
例えば電車の事故であれば、
聞こえる人と同等に情報を受けとるのは難しいとは思いますが、
最近の車両であれば文字による情報の発信があったり、
電話においても伊藤さんが取り込まれている仕組みもありますよね。
(伊藤)
電車の情報についてはタイムラグがある。
実際に起きたと同時に受け取ることは難しいです。
―先程例示していただいた中のお医者さんの説明について
具体的に言うと、専門的な医療の説明がなされたときに、
手話通訳者が同伴していたとしても、十分な情報を得て、
自分の病状について知ることが難しい状況があるということでしょうか?
(伊藤)
今の病院通訳の問題は2つあります。
一つは、手話通訳が基本的に1週間前に予約が必要なことです。
これでは突然病気になったときに厳しいです。
二つ目の問題は医療通訳としての専門性が高い手話通訳とは限らないことです。
上手くて経験の長い方はできるかもしれませんが、
経験の浅い人には難しいかもしれません。
通訳ができる人に制限があります。
電話リレーサービスを知っていますか?
―聴覚障害者の電話利用促進に伊藤さんは注力されています。
電話リレーサービスというのが普及しつつあるという理解でいいですか?
伊藤)
電話リレーサービスについて、
やっと来年2021年4月くらいにスタートすると思いますが、
そこにも問題があります。架電先に理解があるかどうか。
国内で電話リレーサービスを知らない人がまだたくさんいらっしゃいます。
電話リレーサービスを受けて、
いたずら電話ではないかと思って拒否をする人もまだまだいらっしゃいます。
一番たいへんなのは本人確認です。
電話をかけたときに、代理を認めない。
本人の声でなければならないところがほとんどです。
例えば日本の銀行。
95%以上が電話リレーサービスを使っての本人確認を認めていません。
そういうところが多いです。
ですので、クレジットカードを紛失したときに
クレジットカードを止めることが難しい。
お店に行って直接手続きするか郵便での手続きが必要となります。
手続きに時間がかかる、
手間がかかるのが現状です。
―社会全体の認知が不十分なのが課題ということですね。
正直、私自身も「電話リレーサービス」について、
それがどういう仕組みかを他の人にキチンと説明できないです。
せっかくの機会なのでどういうものか教えていただけますか。
(伊藤)
はい、わかりました。
基本的に、電話リレーサービスを使用することで、電話において、ろう者から聴者へ、
聴者からろう者へとお互いに通話を行うことができます。
間にオペレーターという存在がいます。
方法は2つあります。
一つは手話、もう一つは文字。
チャットなどを使って、オペレーターがろう者から手話または文字を使って
伝えた内容をオペレーターが音声で喋り、
ろう者の代わりに伝えるという流れになります。
素朴な疑問をぶつけてみました
―その仕組みだと間に一人介在するので
時間差が発生しますよね。
(伊藤)
多少は発生しますが、
気になるほどではないです。
―今、こうして手話通訳の方を介してやり取りしていて、
確かに時間差を僕はあまり感じないです。
ただ、文字の場合、間の人が記録するのに
それなりに時間がかかるんじゃないかなと想像します。
やはり手話のほうが早いでしょうか。
(伊藤)
それはそうですね。
―統計自体があるのか、
何を分母とするのか不明ですが、
どの程度普及しているのでしょうか?
(伊藤)
そうですね。
私が電話リレーサービスの講演などを各地で行って
たくさんの人が集まって説明をしています。
ほとんどの人がわからない、知らないです。
私の感覚では1%以下だと思います。
―1%というのは、
一般に電話を使える人の1%以下しか
電話リレーサービスを活用することができていない
ということですか?
(伊藤)
聞こえない・聞こえにくい人の1%しか
電話リレーサービスのことを知らないということです。
―普及過程ということですね。
(伊藤)
そうです。
障害の種類、有無は無関係の
コミュニケーションバリア
―ちなみに、「コミュニケーションバリア」と言うときに、
聴覚障害がある方以外に、
視覚障害者にもそれはあると思います。
そちらは対象としていないという認識でいいですか?
(伊藤)
法人の会員の中に視覚障害を持っている人はいません。
ときどき私の企画の中で視覚障害の方がゲストとして
お話してくださることはあります。
「コミュニケーションバリア」は何かというと、
「これあれ」という指示語が大きい。
見える人はその言葉が何を指しているのかわかりますが、
見えない人はそれが何を指しているのかわかりません。
それを使ったことがないと聞いたことがあります。
―コミュニケーションバリアを考えるときに
障害というフィルターを通すと課題がクリアになる
と思いますが、コミュニケーションは障害者だけが
しているものではないです。
障害あるないは無関係に上手くいかないというケースはあります。
コミュニケーションバリアという課題に取り組んでいる立場から、
そこに対して提言というか、
「こうすれば円滑なコミュニケーションができるのではないか」
と思われることなど教えていただけますか。
(伊藤)
私の団体はもともと聴覚障害者のためだけの団体ではありません。
コミュニケーションバリアという社会課題を解決する団体です。
ですので、当然障害の種類、有無は関係ありません。
―障害の種類は関係ないし、
障害はなくても課題として考えていく
ということですよね。
(伊藤)
そうです。障害のない人も含めてです。
障害の種類というよりも、伝える気持ちをお互い理解する。
お互いに歩み寄る気持ちがとても大事だと思っています。
今、いろいろな背景の人が世の中にはいらっしゃいます。
その人の立場に立って、一人ひとり、
色々な方がいらっしゃって、自分の言葉、コミュニケーションがあるので
自分のことだけを考えるコミュニケーションは難しいと思います。
いつも講演のときに話すんですが、お互いの立場を理解する。
お互いに障害や特性全部含めて理解をした上で、
コミュニケーションをする必要がある。
選択肢をたくさん用意して、その中で相互に合う
コミュニケーション方法を選んで
お互いが円滑にコミュニケーションをとれるように
やっていくということを話しています。
私たちのように手話だけにこだわるのではなく、
いろいろなコミュニケーションの手段を用意して、
声だけではなく、筆談をしたり、
身振りを使ってコミュニケーションをする必要がある
ということをいろいろな立場の人に話しています。
―ライター集時の面談では、
障害者が自分たちの不便さをなんとかしてほしい
と権利だけを主張するだけではなく、
歩み寄るということをしたいとお話されていました。
その考え方に私も完全に同意します。
今後のビジョン
今、コミュニケーションバリアに関する活動を
されていらっしゃいますが、
今後のビジョン、何か目標とされていることなどあれば教えて下さい。
(伊藤)
一人ひとりが活きる生活ができるように
コミュニケーションができる社会を創りたい。
自由に活動できる社会を創りたい。
コミュケーションバリアに躓かないように。
―壮大な目標だと思いますが、
そのために日々どのようなアクションを
とられているのですか?
(伊藤)
今私が団体でやっていることは、4つあります。
-
電話リレーサービスを啓発すること
もっと日本中の人に知ってもらいたい
と思っています。
カーナビを昔はみんな知りませんでした。
しかし、少しずつみなさんに認知された。
それと同じように電話リレーサービスも少しずつ
普及していってほしいと思っています。
そのとき本人確認のような場面で
電話リレーサービスでも本人から電話を受けたのと
同じように扱ってほしい。
そのために活動をしたいと思っています。 -
医療通訳を普及させていくこと
今、外国人のための外国語の医療通訳はカリキュラムがあります。
厚生労働省がカリキュラムを作りました。
外国語通訳の養成講座があります。
ですが、手話通訳はありません。
医療通訳における手話通訳のカリキュラムをつくる。
医療通訳DVDをつくる。
全国津々浦々の公立病院に医療通訳を設置したいと思っています。
3.家庭内のコミュケーションバリアをなくすこと
家庭内でのろう者のコミュニケーションバリアもあります。
兄弟、親子のコミュケーションがスムーズでないというケースはたくさんあります。
親が聴者で子がろう者の場合、
なかなかコミュケーションをとるのが難しい。
この家族の中でのコミュケーションの問題を解決したいと思っています。
それは手話だけの問題だけではないと思います。
様々な家庭の問題にもつながっているので難しいと思っています。
4.コミュニケーションバリアをフリーにする
3つ目と繋がりがあると思いますが、この活動をしたい。
先ほどお話した心のバリアに近いと思いますが、
そういう活動をしたいと思っています。
一人ひとりの心を結びつけるために、
ハード面だけでなくソフト面でバリアフリーを実現する。
それをす進める活動をしたいと思っています。
これら4つの目標があります。
―今の回答でしていきたいいことがよくわりました。
伊藤さんご自身のNPOでも
発信はされていますが、今後は並行して
バリアフリーチャレンジ!のライターとして
発信していただく立場となります。
この記事は、バリアフリーチャレンジ!での
伊藤さんのお披露目となります。
バリアフリーチャレンジ!では
どんなことを書いていきたいのかを教えて下さい。
バリアフリーチャレンジ!での発信について
(伊藤)
特に書きたいのは、日本は島国ですので、
言葉が一つだと思っている人が多いと思います。
ですが、実際にはアイヌ語、沖縄の琉球語というものがあります。
方言はちょっと違いますが、
言語は一つではありません。
自分の文法、言語があります。
日本手話も一つの言語になります。
残念ですが、日本で手話は一つの言語として
まだ認められていない状況があります。
手話のことをみんなに知ってもらう。
その上にろう者の独自の文化がある
というあたりを理解してもらいたいと思っています。
―バリアフリーチャレンジでは、
私が身体障害者、車いすユーザーで、
他にも今はお休みされていますが、精神疾患のある方、
発達障害の当事者の家族、実際に発達障害のある学生さんが
伊藤さんと同じ募集で今年から関わってくれています。
その中で伊藤さんも当事者の立場で参画いただけるということで、
これまで聴覚障害者はいらっしゃらなかったので、
その立場から情報発信をしていただけたら、
広がりが出て代表の私としては
ありがたく思います。
(伊藤)
はい。わかりました。
―(居住地の関係上)直接対面してお話する機会があまり持てないので、
何か聞いておきたいことがありましたらどうぞ。
(伊藤)
島本さんの活動に対するモチベーションは、
どこから起こるのかをお聞きしたいと思っています。
ー私は当初、一人で文章を書いて、
喋らせてくださいと自分で売り込んで
学校等で講演をさせて頂いてきました。
その原動力は、私は22歳で身体障害者になったのですが、
当然人生が一変して、障害がある状態で生きていく中で、
まわりの接し方に違和感があったんです。
こちらは普通にしているんですけれども、「いつも頑張って偉いね」
と言われたり、「お気の毒に」ということを言われたり
という経験がありました。それは感じていることと違うという思いから、
当事者として感じていることをキチンと知らせたい。
(それこそコミュニケーションバリアかもしれませんが)
知らないことにより「居心地の悪さ」を感じていたので、
知らせることで、自分の周りから居心地を良くしようとスタートしました。
(伊藤)
なるほど。ありがとうございます。
今まで長い間活動されてきたと思います。
あなたが変えたことはなにかありますか。
発信することによって、まわりや自分が変わったことです。
―ごく身近な人でいうと、
私が書いたことを読んでくれたことで、
自分の周りに私以外に同じような障害を持っている人が今はいないけれど、
障害がある人がこんなことで困っているということがわかった。
大きく言えば啓発になると思うのですが、
そういう反応がありました。
また、看護学校で講義した際に、入院したときの経験を赤裸々にお話したら、
カリキュラム的に実習に出るまでは直接患者さんに触れる機会がないということで、
「実習に出る前にこのような話を聞けて良かっ」と言われました。
その時は、自分の経験にニーズがあり、やっていく意味
があるんだなという感じがしました。
(伊藤)
障害当事者として社会に啓発する。
本当にそういうことをする人は少ないと思います。
ですので、島本さんのように積極的に啓発活動をする人は、
本当に貴重なモデルだと思っています。
私も何か力になれたら嬉しいと思っています。
―ありがとうございます。
ぜひ、お願いします。先程、お話にあった歩み寄ることで、
それぞれの立場を理解する。
障害があると、可哀そうと見られることで、
こちらが要求すると通ってしまうという側面が
なきにしもあらずですよね。
そういう人間心理も手伝って、障害者の権利を認める法律
ができてきたと個人的には考えています。
その権利獲得に尽力された先人に敬意を払ってはいますが、
それを私たちが振りかざしてはいけないと強く思っていて。
障害者だからできませんではなく、
障害者でもこういう事はできますということをも発信していきたい。
(伊藤)
私も社会の思い込みや先入観、これをなくしたいと思っています。
障害者が可哀そうであるとか、できるとすごいとか、
何か過度に制限したり、プラス評価、マイナス評価したりしすぎ。
ポジティブにしすぎる、ネガティブにしすぎることに違和感をおぼえています。
ありのままで理解していただきたいと思っています。
本日は貴重なインタビューの機会をいただき誠にありがとうございました。
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